COP26気候変動枠組条約締約国会議において、「グローバル・メタン・プレッジ」が正式に発足した。EUと米国の働きかけにより、100カ国以上が署名し、今後10年間でメタン排出量を削減することを約束した。
メタン排出量の急速な削減は温暖化を1.5℃に抑えるという世界的な気候目標を達成するために、短期的に可能な最も効果的な行動の一つと考えられている。農業、化石燃料の生産・輸送、石炭採掘、埋立地などから排出されるメタンは、CO2の80倍もの温暖化係数を持つ、非常に強力な温室効果ガスである。しかし、大気中での寿命が10〜12年とCO2の50〜100年に比べてはるかに短いため、メタンの排出量を短期的に削減することで、今後数年間の気候変動に大きな影響を与えることができる。
EUと米国は、他の7カ国の協力を得て、メタン排出量削減に向けた取り組みに多くの国が参加することを目指し、9月に「グローバル・メタン・プレッジ」の設立キャンペーンを開始した。COP26の公式発表では、世界経済の70%、人間の活動によって発生するメタン排出量の約半分に相当する合計103カ国がこの誓約に署名した。
【参考記事】EUと米国、グローバル・メタン・プレッジを発表
誓約書に署名した国は、2030年までに世界のメタン排出量を2020年比で少なくとも30%削減するという共通の目標を掲げている。米国とEUによれば、この誓約を実現することで、2050年までに温暖化を0.2℃削減することができる。
米国のジョー・バイデン大統領は、誓約の進捗状況を紹介するイベントで、署名者たちに向けて次のように述べた。
「米国は、皆さんと協力してこの目標を達成し、より多くの国に、より多くの国に、メタンを世界的に削減することを約束してもらいたいと思っています。」
バイデン大統領は、メタン排出量のコミットメント達成に向けて前進を開始するために、米国で開始された新しいイニシアチブのいくつかを紹介した。その中には、新規および既存の石油・ガスパイプラインからのメタン損失を削減するための新しいルールの導入や、天然ガスパイプラインからの漏れを削減するためのルールの導入などが含まれている。