韓国環境省、韓国版タクソノミを発表。原子力をグリーンエネルギーから除外

10月26日、韓国環境省は「韓国グリーン分類法」を発表し、太陽光発電、風力発電、水力発電、LNG発電、エコカー製造など、計61の産業をグリーン経済活動 として認定した。一方で、原子力発電所を利用した水素製造や原子力発電など、原子力関連のコンテンツはすべて除外された。「韓国グリーン分類法」とは、温室効果ガスの削減、気候変動への適応、環境改善に寄与する活動をまとめたもので、「Kタクソノミ」とも呼ばれている。850兆ウォンの資産を持つ国民年金公団は、来年から投資判断に本タクソノミを使用する。

政府は産業界や市民団体の意見を集めた上で、年内に最終決定する予定だ。4月に環境技術産業法が改正され、グリーン分類システムの準備作業が始まって以来、半年ぶりの「スピードチャレンジ」となる。

環境省は7月に人民権力のクォン・ヨンセ議員に提出した回答で、「EUの分類システムの決定が遅れていることを考慮し、十分な意見収集を行っていく 」としている。その中で、韓国政府はまず原発をグリーンエネルギーから外すことを決めた。

現在、EUでは原子力の全サイクルの安全性を証明した専門家の評価結果が導き出されている。また、グリーン分類に原子力発電所を含めるかどうかについても、綿密な議論が行われている。昨年3月、欧州委員会(EC)は、「原子力発電所が実際に気候変動の緩和に貢献しているという明確な証拠がある」として、安全性の追加評価を要求した。3月には、EU共同研究センター(JRC)が、「原子力が風力や太陽光よりも環境や健康に有害であると信じる科学的根拠はない 」という内容の「原子力環境影響評価」と題する報告書を発表した。

本報告書によると、現在、韓国や欧州が建設を進めている1兆kWh(キロワット時)あたりの死亡者数は0.0008人、第2世代の原子力発電所では0.5人となっている。同じ量の電気を作る場合、太陽光発電は0.03、陸上風力発電は0.2、海上風力発電は1となる。温室効果ガスの排出量では、原子力発電は100万kWhあたり28トン、太陽光発電は85トンと3分の1と試算された。欧州では、エマニュエル・マクロン仏大統領やボリス・ジョンソン英首相が、カーボンニュートラルの実現に向けたSMRの開発計画を発表するなど、気候変動に対応するために原子力発電所の増設を進めている。

【参照ページ】
한국형 ‘녹색에너지’ 분류, LNG 넣고 원자력은 뺐다

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