11月30日、世界気象機関(WMO)は、国連気候変動枠組条約第28回ドバイ締約国会議(COP28)に先立ち、2023年10月末までのデータを元にした「世界気候の現状2023」の暫定版を発表した。その結果、2023年は観測史上最も温暖な年となり、産業革命前からの気温が1.4℃上昇していることが確認された。
発表によれば、2015年から2023年までの9年間は、過去最も気温が高かった期間であり、2023年の北半球の春にはエルニーニョ現象が発生し、夏に急速に発達した。エルニーニョは世界の気温に大きな影響を与える要因であり、その影響が2024年も続く可能性が高いとされている。
海面上昇についても、2013年から2022年までの10年間の海面上昇率が、1993年から2022年の10年間よりも2倍以上の速さで進行していることが報告された。南極の海氷面積が過去最低を記録し、北米と欧州の氷河も再び極端な融解期を経験しています。特にスイスの氷河は過去2年間で約10%の体積を失ったとされている。
気象・気候災害の悪化は、食糧安全保障、人口移動、社会的弱者への影響など様々な課題を悪化させ、これが社会の脆弱性を高めているとWMOは指摘している。
【参照ページ】
(原文)2023 shatters climate records, with major impacts
(日本語参考訳)WMOが発表、「世界気温2023」が過去最高を記録