「TCFD/TNFD/TISFD」財務情報開示の重要性が向上。新たな開示基準にどう備える?

気候変動が事業活動や経済へ与える影響が大きくなる中、企業によるサステナビリティの取り組みは経営課題として重要視されている。そして、TCFDやTNFDに代表されるように、財務インパクトを計測・開示する動きが進みつつあり、サスティナビリティ情報やESG情報の開示に対する投資家からの関心が高まっている。これまでは、環境に関する情報開示への要請が多かったが、人的資本の重要性や多様性を配慮する意識の向上により、企業の社会(人権や地域社会)に関する取り組みについても情報開示が求められている。2024年には「TISFD」という新たなワーキンググループにより、社会面での取り組みに関する情報開示のガイドラインが検討される予定だ。本記事ではTISFDの流れを紹介しつつ、TCFDやTNFDについても振り返って解説する。

サステナビリティ情報から財務情報開示へ

不平等関連財務情報開示タスクフォース(TIFD)と、社会関連財務情報開示タスクフォース(TSFD)の設立準備組織は統合し、2024年第1四半期には新たな組織「不平等・社会関連財務開示タスクフォース(TISFD)」を発足する。統合による新たなフレームワークの公表により、これまでのESG(環境・社会・ガバナンス)の領域において、TCFDとTNFDに準拠したE(環境)の開示だけではなく、S(社会)の領域も開示の範囲が広がっていくと見られる。


以降のコンテンツは無料会員登録を行うと閲覧可能になります。無料会員登録を行う

すでに登録済みの方はログイン画面へ

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成している。今後の動向により内容は随時更新される…

ピックアップ記事

  1. ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    2025-9-15

    ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    ※本記事は、ESG Journal編集部が注目のニュースを取り上げ、独自の視点で考察しています。 …
  2. 2025-9-12

    ISOとGHGプロトコル、温室効果ガス基準を統合へ 世界共通言語の構築目指す

    9月9日、ISO(国際標準化機構)とGHGプロトコルが、既存のGHG基準を統合し、新たな排出量算定…
  3. 2025-9-12

    カリフォルニア州、気候関連財務リスク報告の指針を公表

    9月2日、カリフォルニア大気資源局(CARB)は「気候関連財務リスク開示ドラフト・チェックリスト」…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る