12月12日、CO2利用企業のDimensional Energyは、シリーズA資金調達ラウンドで2,000万ドル(約28億円)を調達したことを発表した。
ニューヨーク州イサカを拠点とするDimensional Energyは2014年に設立され、回収したCO2を利用して、化石燃料を投入しなければ利用できない燃料や製品材料を生産している。同社の各製品は、大気中や工業用地から回収した二酸化炭素と、水から得られる水素を原料としている。同社のソリューションは、二酸化炭素の分子結合を切断して一酸化炭素を生成し、これを水素と混合して合成ガスを製造する。
2022年6月、Dimensional Energyは、ユナイテッド航空の持続可能な航空に特化したベンチャー・ファンド、ユナイテッド航空ベンチャーズ(UAV)による投資と、再利用された二酸化炭素から製造される20年間で少なくとも3億ガロンの持続可能な航空燃料(SAF)の購入契約を発表した。UAVは新たな資金調達ラウンドで戦略的投資家として復帰した。
同社は、新たに調達した資金が、カナダのブリティッシュ・コロンビア州にあるラファージュ・リッチモンド・セメント工場の排出ガスを利用した世界初の先進的な液化天然ガス(PtL)燃料プラントの建設、商業用液化天然ガスプラントの世界的な開発の継続、化石燃料を使用しないサーフワックスやビーガン食品メーカー向けに調整された無添加の代替油脂を含む、同社初の消費者向け(B2C)および企業間取引(B2B)製品の導入、独自のリアクターおよび触媒技術の進化を含む技術進歩など、いくつかの重要なイニシアティブの推進に使用されると述べている。
同社はまた、認定Bコーポレーションへの第一歩となるデラウェア州公益法人憲章の提出も発表した。
今回の資金調達ラウンドは、インパクト・ベンチャー・ファンドのエンヴィジョニング・パートナーズが主導し、ユナイテッド航空のサステイナブル・フライト・ファンド、マイクロソフトのクライメート・イノベーション・ファンド、ロッククリーク・グループのスマート・アビエーション・フューチャーズ・ファンド、DSCインベストメント、Delek US、ニューヨーク・ベンチャーズ、クライメート・テック・サークルが戦略的に参加したほか、既存の投資家であるエレメンタル・エクセレレーター、クロエ・キャピタル、ローンチ・ニューヨークなどが引き続き支援した。
【参照ページ】
(原文)Dimensional Energy Secures $20 Million Series A Funding
(日本語参考訳)Dimensional Energy、炭素利用技術の進歩に向け約28億円を調達