Puro.earth、経営体制を強化しCDR市場の成長を加速

3月3日、CDR(二酸化炭素除去)のカーボンクレジット認証プラットフォームを提供するPuro.earthは、組織強化と事業拡大を目的とした新たな経営陣の人事を発表した。Jan Willem Bodeが新社長に就任し、共同創業者で現CEOのAntti Vihavainenは、副会長に就任する。また、Ellen Brouwerが新たにCo-Head of Standardとして選任された。

Jan Willem Bodeは、気候金融、企業の持続可能性、プロジェクト開発・資金調達の分野で25年以上の経験を持ち、気候関連の規格であるGold Standardの初期バージョンを共同制作した経歴を持つ。2021年から同社の取締役を務め、2024年6月以降はVCMI(Voluntary Carbon Markets Integrity Initiative)の専門家諮問グループのメンバーとしても活動している。今後、同社の戦略的イニシアチブを統括し、顧客向けサービスの強化や事業運営の最適化を推進する。

一方、副会長となるAntti Vihavainenは、Puro.earthの戦略的パートナーシップの強化と、CDR業界に影響を与える政策環境の変化への対応を担う。

この人事は、CDR市場が急速に成長する中で発表された。同社は、新体制のもとで戦略的施策の実行を加速し、市場の発展に関わる主要な政策課題への対応を強化することで、CDR市場の拡大をさらに推進する方針である。

また、新たにEllen BrouwerがCo-Head of Standardに就任した。彼女は、カーボンリムーバルクレジットの認証などに必要な原則や手続き、透明性の向上を担当する。彼女はSBTi(Science Based Targets Initiative)でスタンダードリードを務め、Corporate Net-Zero Standardや業界向け基準の策定を主導した経験を持つ。持続可能性基準の策定において豊富な専門知識を有し、International Social and Environmental Accreditation and Labelling(ISEAL)Allianceの基準にも精通している。

Puro.earthは、今回の組織改編を通じて、カーボンリムーバル市場の成長を加速し、持続可能なカーボンクレジットの信頼性向上に向けた取り組みを一層強化する。

【参照ページ】
(原文)Strengthening Our Leadership to Advance Carbon Removal
(日本語参考訳)炭素除去を推進するためのリーダーシップの強化

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