【新着】SBTiのネットゼロ基準の改訂案とは ?~ カーボンクレジットの扱いに明確な方針

【新着】SBTiのネットゼロ基準の改訂案とは ?~ カーボンクレジットの扱いに明確な方針

2025年3月19日、Science Based Targets initiative(SBTi)は、企業の脱炭素化目標を評価・認証・追跡する「Corporate Net-Zero Standard(ネットゼロ基準)」の改訂版(V2)の草案を発表した。今回の改訂は、昨年巻き起こったネットゼロ目標達成におけるカーボンクレジット活用の是非をめぐる論争を受けたものであり、企業の排出削減戦略の明確化と強化を目的としている。

本稿では、SBTiが示した改訂ポイントを示すとともに、昨今のESG開示環境の変化と合わせて活用の意義について考察する。(※2025年3月19日時点)

SBTiとは?

SBTiは、2015年に設立され、科学に基づく環境目標の設定を企業の標準的な慣行として確立することを目的としている。主に、排出削減およびネットゼロ目標のベストプラクティスの定義と推進、科学的根拠に基づいた目標を設定する企業への技術支援、および企業の排出削減目標の独立評価・認証の提供が含まれる。現在までに1万社以上の企業が排出削減目標を設定するか、またはそのコミットメントを行っている。日本では1,552社が加盟。そのうち、目標を設定しているのは、1,451社(2025年3月時点)。

SBTiでは、2021年に初「企業向けネットゼロ・スタンダード(Corporate Net-Zero Standard Version)」を発表した。2024年には本改訂を計画していたが、スコープ3排出量削減でのカーボンクレジットの活用をめぐる議論により、決定までに時間を要してきた。

【参照記事】SBTiのカーボンクレジット方針見直しとその影響:基準の見直しの最新議論を解説


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ESG Journal 編集部
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