SDI AOP、新たな持続可能性データ基準を発表

3月6日、サステナブル投資の推進を目指すSustainable Development Investments Asset Owner Platform(SDI AOP)は、新たなデータセット「SDI Outcomes」を発表した。データセットは、温室効果ガスの排出削減量(Avoided Emissions) と 社会への貢献度(People Served) の2つの指標を用いて、世界1,600社以上の上場企業の持続可能性の成果を測定する。標準化された信頼性の高い指標を提供することで、透明性を向上させ、投資判断の精度を高めるとともに、グリーンウォッシング(環境配慮の誇張表現)に対する懸念の払拭を目指している。

SDI Outcomesは、持続可能性データを4つの階層に分けて提供する。

  1. 企業レベル:SDGsに関連する収益額、新興市場への投資割合、持続可能性成果の概要を提示
  2. 地域レベル:特定の地域・新興市場における企業活動の評価
  3. 製品・サービスレベル:SDGsの目標に沿った持続可能な製品・サービスの貢献度を定量化
  4. 成果レベル:提供された製品・サービスがもたらした社会・環境への影響を数値化

SDI AOPのリサーチディレクターであるジェームズ・リートンは、「SDI Outcomesは、各企業が報告する持続可能性データの比較を容易にするために開発された」と述べている。本データセットは、SDGsへの収益配分を分類する 「SDI Classification」 に基づき、より詳細な分析を可能にする。投資家はSDI Outcomesを通じて、企業の環境・社会への貢献度をより正確に評価できると同時に、サステナブル投資の透明性向上とグリーンウォッシングの排除を実現することが可能となる。

【参照ページ】
(原文)SDI AOP Launches SDI Outcomes: A New Standard in Sustainability Outcomes Data
(日本語参考訳)SDI AOP が SDI Outcomes を発表: 持続可能性成果データの新しい標準

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成している。今後の動向により内容は随時更新される…

ピックアップ記事

  1. 2025-9-16

    セブン&アイHD、TCFD・TNFD統合開示を公表 財務インパクトの試算と自然資本分析も深化

    9月8日、セブン&アイ・ホールディングスは、「気候・自然関連情報報告書―TCFD・TNFD統合開示…
  2. ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    2025-9-15

    ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    ※本記事は、ESG Journal編集部が注目のニュースを取り上げ、独自の視点で考察しています。 …
  3. 2025-9-12

    ISOとGHGプロトコル、温室効果ガス基準を統合へ 世界共通言語の構築目指す

    9月9日、ISO(国際標準化機構)とGHGプロトコルが、既存のGHG基準を統合し、新たな排出量算定…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る