ClearloopとMicrosoft、米国の地域社会に100MWの再生可能エネルギーを導入へ

ソーラーパネル

2月25日、カーボンソリューション企業のClearloopはMicrosoftとの新たな長期契約を発表した。今後3年間で最大100メガワットの再生可能エネルギープロジェクトを、これまで十分な投資が行われてこなかった米国内の約20の地域社会に展開する計画である。本契約により、電力網の脱炭素化を加速させるとともに、対象地域への資本投資を促進する。

Clearloopは環境技術系非営利団体WattTimeと協力し、炭素排出削減効果の高い戦略的な送電網ポイントを特定する手法を早くから導入してきた。今回のプロジェクトでは、今後40年間で500万トン以上の二酸化炭素排出を抑制できる見込みであり、特にアーカンソー州とルイジアナ州のエネルギーミックスの多様化に寄与する。

ClearloopとMicrosoftは2023年に最初の共同プロジェクトとして、ミシシッピ川流域に6.6メガワットの太陽光発電施設を建設した。この施設は2024年夏に稼働を開始し、20万トンの二酸化炭素を削減するとともに、Clearloopの親会社である再エネ事業者Silicon Ranchによる数百万ドル規模の投資を呼び込むきっかけとなった。

Clearloopのアプローチは、大企業から中小企業、教育機関に至るまで、あらゆる規模の組織が気候目標を達成しつつ、経済全体の脱炭素化に貢献できる仕組みを提供する。今回のプロジェクトも、Microsoftの「2030年までにカーボンネガティブを達成する」という目標の一環であり、再生可能エネルギーインフラへの投資による環境・健康・経済的な恩恵を、最も恩恵を受けるべき地域にもたらす。本契約に基づく最初の4つの太陽光発電プロジェクトは、数カ月以内に着工し、年内に運転開始予定である。

また、Silicon Ranchは、これらの発電施設を開発・所有・運営し、長期的に管理する。さらに、Microsoftとの合意の一環として、Clearloopは非営利団体Sustain Our Future Foundationを通じた「Community Benefits Fund」を創設し、社会・環境面で課題を抱える地域社会の支援を行う。

【参照ページ】
(原文)Clearloop Announces Multi-Year Agreement with Microsoft to Accelerate Grid Decarbonization with Portfolio of Community-Focused Solar Projects
(日本語参考訳)Clearloopは、コミュニティ重視の太陽光発電プロジェクトのポートフォリオでグリッドの脱炭素化を加速するためにMicrosoftと複数年契約を締結したことを発表

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