SBTi(Science Based Targets Initiative)が2024年に発表したカーボンクレジット利用方針の変更は、企業の気候変動対策に大きな影響を与える可能性がある。一度は認められたカーボンクレジットの活用が再び見直される背景には、どのような議論があったのか。今後、カーボンクレジットによるスコープ3の排出量のオフセットを受け入れるかどうかはまだ確定的ではない状況だ。
※これまでのSBTiのスタンスは、直接的な排出削減を優先し、カーボンクレジットの利用を認めない方針だったが、今回の発表はそれとは大きく異なる判断だった。
本コラムではSBTiによるスコープ3ガイドラインの変更検討が動き出した背景や現在の議論の主要ポイントをまとめ、実際にカーボンクレジットがSBTiフレームワークで活用できるようになる可能性について解説する。
SBTiのおさらい
SBTi(Science Based Targets Innitiative)とは、地球温暖化を、産業革命以前に比べて1.5度に抑えるという世界的目標の達成を促す科学根拠に基づく目標設定(SBT)を認定する団体である。
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執筆者紹介
マルティネス リリアナ (ESG Journal 専属ライター) サステナビリティ学修士。シンクタンクにて海洋・大気環境に関する政策の策定支援を行う。国際海事機関(IMO)ではTechnical Advisorとして国際議論への参加経験を積み、その後、気候変動課題を中心に企業向けにコンサルティングを行う。非財務情報開示フレームワークからサステナビリティの国際動向まで幅広くコラムやホワイトペーパーで解説。 |