グローバルなインデックス、データ、分析を提供するFTSE Russell社は、G20諸国の国別気候公約の気温との整合性を評価する新しい研究を行い、現在の気候目標や政策とパリ協定の目標である1.5℃までの温暖化抑制との間に大きなギャップがあることを明らかにした。
FTSE Russellは、COP26の開催に合わせて発表した「ネット・ゼロ・アトラス・レポート」において、異なる地球温暖化の軌道との整合性を評価するために、個々の国の気候目標に関連する推定温度上昇(ITR)を算出した。本レポートでは、国際応用システム分析研究所(IIASA)と新気候研究所(NewClimate Institute)による排出量予測を用いて、各国のNDCとその現在の政策についても考察している。
本レポートでは、COP26に向けた各国のネット・ゼロ目標の現状は、2.1℃の気温上昇を意味し、2030年の暫定的なコミットメント(NDC)は、1.5℃のマークからさらに離れ、2.8℃の気温上昇を意味することが明らかになった。さらに現在の政策は、パリ協定の2倍である3℃の地球温暖化の軌道に沿っていると述べている。
本報告書では、G20の長期目標と暫定目標、および世界の気候目標との整合性について、国ごとに分析している。国別に見ると、カナダと米国のNDCは、1.5℃との整合性が最も低く、両国の目標は1℃以上の気温上昇を招くと述べている。
【参照ページ】
(原文)COP26 Net Zero Atlas
(日本語訳)FTSE Russellレポート:世界各国の気候目標はパリ協定の目標と一致せず