アリアンツGIと欧州投資銀行、650億円超の新興国向け気候ファンドを設立

アリアンツGIと欧州投資銀行、650億円超の新興国向け気候ファンドを設立

アクティブ・アセット・マネジメントのアリアンツ・グローバル・インベスターズ(AllianzGI)と欧州投資銀行(EIB)は、新興市場や発展途上国で活動する気候変動に焦点を当てた投資ファンドやプロジェクトへの投資を目的とした「エマージング・マーケット・クライメート・アクション戦略(EMCA)」の立ち上げを発表した。

目標金額は5億ユーロ(約650億円)で、気候変動の緩和、気候変動への適応、電力へのアクセスに

焦点を当てている。EMCAは、気候変動に焦点を当てた投資ファンドに投資し、陸上の風力発電所、太陽光発電所、水力発電所などのプロジェクトや、住宅や産業におけるエネルギー効率化プロジェクトを支援する。またこのファンドは、新興国や発展途上国が洪水や暑さなどの気候変動に関連する事象の影響を緩和し、回復力を高めるためのプロジェクトにも融資することができる。

EIB副総裁のAmbroise Fayolleは次のように述べている。

「新興国や発展途上国での気候変動プロジェクトを支援することは、パリの気候目標を達成し、現地での経済活動を促進するための鍵となります。EUの気候変動対策銀行として、我々は民間資本を大規模に動員する革新的な金融手法について長年の経験を持っています。本日、アリアンツ・グループとともに、この新たなマイルストーンを発表できることを嬉しく思います。これは、COP26の会議に向けて、気候変動資金のギャップを埋めるための官民パートナーシップの力について、重要なシグナルを送るものです。」

このファンドは官民パートナーシップとして立ち上げられ、ドイツ・ルクセンブルク政府、Nordic Development Fund、Allianz、Folksam、EIBなどがアンカー投資家として参加している。

アリアンツGIとEIBによると、EMCAは、ヨーロッパを代表するインパクト投資イニシアチブとなり、世界中の新しいクリーンエネルギー能力を支援し、アフリカ、アジア、ラテンアメリカ、中東での気候変動対策プロジェクトの立ち上げに多額の民間資金を動員することを目指している。

【参照ページ】
(原文)EIB and AllianzGI support climate action projects in emerging and developing countries
(日本語訳)アリアンツGIとEIB、650億円超の新興市場向け気候ファンドを設立

関連記事

“イベントへのリンク"

おすすめ記事

  1. 2024-4-9

    SBTN(Science-Based Targets for Nature)とは。企業のネイチャーポジティブ経営を実現する目標設定の方法論を解説。

    TNFDのフレームワークが公開され、先進企業ではフレームワークに基づく情報開示が進みつつある(20…
  2. 2024-4-2

    【さくっと読める】TNFDの開示とは。重要ポイントを抽出。

    2023年9月、TNFDのフレームワークが完成し公開された。2023年時点でTNFDに基づく開示を…
  3. 2024-3-26

    【さくっと読める】ESGスコアとは。基本的知識を解説。

    今月から、サスティナビリティ情報開示で関心の高いテーマについて、さくっと読める解説コラムを発行して…

ピックアップ記事

  1. 2024-4-18

    オーストラリア裁判所、グリーンウォッシュ訴訟でバンガードに有罪判決

    3月28日、オーストラリアの連邦裁判所は、バンガード・インベストメンツ・オーストラリアが、同社のE…
  2. 上場企業の40%以上がスコープ3排出量の報告を開始

    2024-4-15

    上場企業の40%以上がスコープ3排出量の報告を開始

    4月に発表した、投資データ・リサーチプロバイダーであるMSCIの新しいレポートによると、世界の上場…
  3. SBTi、ネット・ゼロ目標における炭素クレジットの役割拡大を認める

    2024-4-15

    SBTi、ネット・ゼロ目標における炭素クレジットの役割拡大を認める

    4月9日、科学的根拠に基づく目標設定イニシアティブ(SBTi)は、企業の環境持続可能な行動を気候変…

アーカイブ

ページ上部へ戻る