2月21日、BMWグループは、世界的な金属・鉱業企業であるRio Tintoと、米国での自動車生産に使用する低炭素アルミニウムの供給と、そのアルミニウムの完全なトレーサビリティを実現するサプライチェーンの透明性技術の導入に合意したと発表した。
BMWは、2030年までに自動車のライフサイクル全体で排出ガスを40%削減する目標を掲げ、製品に持続可能な素材の使用を増やすなど、気候変動対策への取り組みを拡大しており、今回の合意はその一環である。また、サプライチェーンの排出量を2030年までに20%削減(2019年基準)することも目標に掲げている。
BMWは、アルミニウムのサプライチェーンにおけるCO2削減の可能性を強調し、中型の完全EVのサプライチェーンにおける排出量の約4分の1がアルミニウムであるとした。
本契約によるアルミニウムは、Rio Tintoがカナダで行っている水力発電事業から調達され、BMWのサウスカロライナ州の製造拠点であるプラント・スパルタンバーグに供給される予定である。リサイクル材と組み合わせることで、従来のアルミニウム製造に比べ、約70%の排出量を削減することが可能である。
本契約では、Rio Tintoがアルコア社と共同で生み出した、カーボンフリー陽極を用いて金属を製造し、製錬工程で排出されるプロセス関連のCO2をすべて排除できるELYSIS技術で製造されたアルミニウムを使用することを定めている。
また、Rio Tintoが開発した、ブロックチェーンを活用した鉱山までのトレーサビリティを提供するSTARTテクノロジーの導入も進めていく。
【参照ページ】
(原文)70 percent less CO2: BMW Group plans to source aluminium from sustainable production in Canada from 2024
(日本語参考訳)BMW、自動車生産用に低炭素アルミニウムを調達