今更聞けないESGとSDGs
皆様こんにちは!ESG Jounal編集部です!
ESG JounalはESGやSDGsに関するニュースや企業事例を扱う日本最大級のESGメディアなのですが、そもそもESG?SDGs?良くわからない。。という人達のために分かりやすく理解してもらえるような入門コラムを書いてみました。
ESG/SDGsのそれぞれの概念や関係性を取りまとめてみましたので、是非ご覧下さい!
ESGとは何か
Environment:環境
Social:社会
Governance:企業統治
これらの頭文字をとったのがESGです。各要素において考慮・評価されている一般的な項目としては以下が挙げられます。
出所:Quick ESG研究所
一言でいうとESGは投資の概念です。投資家が旧来の財務情報といった投資尺度だけではなく、Environment・Social・Governanceの各項目に重点的に取り組み、非財務情報として開示している企業を評価し、投資を実施することを「ESG投資」といいます。
ESG投資は、2006年に国際連合の責任投資原則(PRI:Principles for Responsible Investment)のなかで提唱された後、欧米を中心に注目を集めてきました(下表参照)。
出所:国際連合「責任投資原則」より抜粋
ESG投資への関心が高まった背景
1. 気候変動への世界的な取り組み
日本でようやくESGという概念が広まりだしたのは、PRIの発表から9年後の2015年のことです。この年はパリ協定やTCFD*など気候変動問題への世界的な取り組みが話題となりました。
過去似たような気候変動への取り組みとして1997年の京都議定書が取り上げられますが、当時は一部の先進国だけの参加にとどまっており、実効性の部分でも大きな課題が残りました。
しかしながらパリ協定は、先進国や中国などの途上国を含む196カ国の地域が参加しており、産業革命前からの世界の気温上昇を2度未満にすることを目的とし、各国に1.5度に抑えるよう努力することも求めるなど、より具体性・実効性が伴ったことで、Eの環境問題に改めて取り組むきっかけとなりました。
2. コーポレート・ガバナンスの重視
特に日本においては、2015年に「コーポレートガバナンス・コード」が策定され、持続的な企業価値向上に向けた企業自身の体制整備が求められた事がESG普及において大きいです。CSR(Corporate Social Responsibility)やSRI(Social Responsible Investment)といった動きはESG投資の前から日本でも根付いていましたが、新しくG(ガバナンス要素)が入ったことで海外投資家の評価を得たことが企業のESG推進に繋がったとも言われています。
3. GPIFによるESG指数の採用
上記2点に加え、世界最大の年金基金であるGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が2015年にPRIに署名し、あわせて多くの機関投資家・運用会社もPRIに署名したことも大きなインパクトがあったと言えます。更にGPIFがその運用に際して、以下図表の「ESG指数(インデックス)*」を採用すると共に、2017年に投資運用原則を改正し、全ての資産でESG要素を考慮した投資をすすめることを発表した際は大きな注目を集めました。
※ESG指数に関しては前回のこちらの記事で詳しくまとめています。
出所:GPIF
4. SDGsに対する意識の高まり
また国際社会におけるSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)の動きも要因として挙げられます。2015年9月に国連加盟193カ国全てがSDGsに合意・採択し、気候変動対策、貧困撲滅、格差是正などの17の目標を掲げ、日本においても2017年に「SDGsアクションプラン2018」が策定されました。
GPIFはSDGsとESGの関係について、企業がSDGsに取り組み、投資家がESGを考慮した上で企業に投資するため、それぞれが表裏一体にあると主張しています。SDGsの主体は企業であり、企業を目標達成へと駆り立てる力が必要です。企業を動かす力は株主の声であり、SDGsという「目標」を掲げて、ESGという「手段」で取り組む企業への投資が「ESG投資」と言えるでしょう。
出所:GPIF
最後に
皆さんESG投資に関して、日本で広まった背景などはご理解頂けましたでしょうか。ESG投資の手法や事例に関してもその他の記事でまとめていますので、ぜひ以下から御覧ください!
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次回も上場企業のESG開示やESGの最新トレンドについて、詳しく紹介していきたいと思います。
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