ペプシコとカーギル、アイオワ州で再生型農業24万エーカー拡大へ 農家支援と持続可能性推進

7月15日、ペプシコとカーギルは、再生型農業の拡大に向けた新たな戦略的連携を発表し、2030年までに米アイオワ州のトウモロコシ農地24万エーカーでの実践を目指すと明らかにした。本取り組みは、両社が共有するトウモロコシ供給網を対象とし、農業の回復力強化とサプライチェーンの持続可能性向上を目的とする。

アイオワ州は全米最大のトウモロコシ生産州であり、今回のプロジェクトは地元の非営利団体「アイオワ実践農家協会(PFI)」が主導する。PFIは、地域の作物や土壌特性に応じた技術指導と、農家が新しい再生型農法を導入する際のインセンティブ支援を提供する。これにより、農家の収益性と気候対応力の向上が期待される。

ペプシコとカーギルはそれぞれ、2030年までに再生型農業の導入面積を1,000万エーカーに拡大するという目標を掲げており、本取り組みはその一環である。

ペプシコのチーフ・サステナビリティ・オフィサー、ジム・アンドリュー氏は「農家と協働することで、健全な土壌、排出削減、作物収量と生計の向上という成果が得られる」と語る。また、カーギルのピラール・クルス氏は「この連携は再生型農業を拡大する現実的かつ測定可能なモデルを示すもの」と述べている。

本イニシアティブは、農業・地域社会・環境のすべてに利益をもたらす農業モデルの構築を目指すものであり、農業分野における長期的なサステナビリティ推進の具体例となる。

(原文)PepsiCo and Cargill Collaborate to Empower Farmers by Advancing Sustainable Agriculture

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