GRI、労働関連の開示基準を大幅改定へ 「多様性と包摂性」など、意見公募を開始

7月1日、サステナビリティ報告の国際基準を策定するグローバル・レポーティング・イニシアチブ(GRI)は、労働関連の基準を大幅に見直すプロセスの一環として、新たな基準草案に関する意見公募(パブリックコメント)を開始したと発表した。企業の差別是正措置や、労働者の人権保護に関する情報開示の強化を目的とする。

今回、意見公募の対象となるのは以下の2つの基準草案。

  • 多様性と包摂性(GRI 405を更新):多様性や包摂性に関する方針が、経営層の監督責任を含め、組織の戦略や事業活動にどう組み込まれているかの透明性を高める。
  • 無差別と機会均等(GRI 406を更新):直接的・間接的な差別の原因にまで踏み込み、発生した事案の詳細な内訳報告を求めるほか、社会的弱者や過小評価されているグループへの機会提供についても言及する。

これらの基準改定は、差別や暴力、ハラスメントからの自由といった、国際労働機関(ILO)が定める労働者の基本的権利に基づいている。

GRIの基準を策定する独立組織GSSB(グローバル・サステナビリティ基準審議会)のアン・リンゼイ委員は、「公正で包摂的な雇用において、多様性、包摂性、無差別、機会均等は中心的なテーマです。改定後のGRI基準が実効性と実用性を備え、世界中の労働者のために有意義で永続的な変化を推進できるよう、労働組合の代表者から雇用主、投資家まで、すべてのステークホルダーにこの協議への参加を強く求めます」とコメントした。

意見公募は9月15日まで受け付け、オンラインの質問票を通じて回答を提出する形式。GRIは改定内容を詳しく説明するウェビナーも開催する。

GRIは合計8つの労働関連基準を改定する計画で、今回の公募はその一環。すべてが承認されれば、改定後の新基準は2026年半ばから順次公表される予定だ。

(原文)Transparency on workplace inclusion and equal opportunity
(日本語参考訳)職場の包摂性と機会均等に関する透明性

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