Dow Jones Sustainability Indicesの結果が発表

Dow Jones Sustainability Indicesの結果が発表

12月9日、S&P Dow Jones Indices (S&P DJI)は、グローバル、地域、国のベンチマークであり、ESG基準を用いて企業のパフォーマンスを測定する一連の優れたDow Jones Sustainability Indices(DJSI)の年次リバランスおよび再構成評価を行った結果を発表した。

DJSI North Americaは、Eli Lilly、Walmart、Disneyの追加、Texas Instruments、UPS、Starbucksの除外など、大きな変更があった。

DJSIは、環境、社会、ガバナンスの基準で世界の主要企業のパフォーマンスを追跡することにより、持続可能性を考慮したポートフォリオを作成できるように設計された一連のインデックスである。S&P DJIは、現在S&P Globalの傘下にあるSustainable Asset Management Group(SAM)と共同で、1999年に本指数を作成した。

DJSI指数の構成銘柄を選定する際の重要な要素は、S&Pグローバルが毎年実施している企業持続性評価(CSA)のもとで算出される企業の「S&PグローバルESGスコア」である。2022年の審査では、構成銘柄として適格な3,519社に参加を呼びかけ、積極的に参加した企業は前年比9%増の1,728社となり、過去最高を記録した。

2022年のCSAでは、ネット・ゼロ・コミットメントの把握と科学的根拠に基づく目標イニシアティブとの気候目標の整合に重点を置き、脱炭素化戦略を基準として導入し、金融機関が融資・投資活動の気候への影響を管理するために取った行動を捉え、労働衛生・安全要素、医療へのアクセスなどを更新するなど、いくつかの重要な手法の変更が行われた。

CSAはまた、繊維・アパレル・高級品業界向けに、直線的なビジネスモデルから循環型ビジネスモデルへの移行を加速させるための企業の取り組みやプログラムを評価することを目的とした「循環型ファッション」基準を新たに追加した。S&Pグローバルによると、同セクターの評価対象企業のうち31%が、サーキュラーファッションの原則を事業全体に取り入れることを公約に掲げている。

DJSI指数の時価総額上位の追加・削除銘柄は以下の通りである。

DJSI World

追加:TotalEnergies、Canadian Pacific Raliway、 Moody’s、Hess、Dow

削除:Caterpillar、Sanofi、 Northrop Grumman、 Zurich Insurance、 Rio Tinto

DJSINorth America

追加:Eli Lilly、 Merck、 PepsiCo、 Walmart、 Disney

削除:Texas Instruments、 Comcast、 Amgen、 UPS、 Starbucks

DJSI Europe

追加:TotalEnergies、 Schneider Electric、 Air Liquide、 Capgemini、 Publicis Groupe

削除:Nestle、Zurich Insurance、RELX、ロンドン証券取引所グループ、BMW

DJSI Asia Pacific

追加:第一生命、Advantest、香港・中国ガス、商船三井、Keppel

削除:Woolworths、エーザイ、POSCO Holdings、大和ハウス、MS&AD Insurance

DJSI Emerging Markets

追加:Hindustan Unilever、 NetEase、 Adani Enterprises、 Mega Financial、 Tata Motors

削除:JSW Steel、Delta Electronics、PTT Exploration and Production、AngloGold Ashanti、President Chain Store

DJSI Australia

追加:Macquarie Group、 REA Group、 ALS Limited、 Worley、 AMP

削除:Woolworths、 South32、 Endeavour Group、 AGL Energy、 Downer EDI

【参照ページ】
(原文)S&P Dow Jones Indices Announces Dow Jones Sustainability Indices 2022 Review Results

関連記事

“イベントへのリンク"

おすすめ記事

  1. 2024-4-9

    SBTN(Science-Based Targets for Nature)とは。企業のネイチャーポジティブ経営を実現する目標設定の方法論を解説。

    TNFDのフレームワークが公開され、先進企業ではフレームワークに基づく情報開示が進みつつある(20…
  2. 2024-4-2

    【さくっと読める】TNFDの開示とは。重要ポイントを抽出。

    2023年9月、TNFDのフレームワークが完成し公開された。2023年時点でTNFDに基づく開示を…
  3. 2024-3-26

    【さくっと読める】ESGスコアとは。基本的知識を解説。

    今月から、サスティナビリティ情報開示で関心の高いテーマについて、さくっと読める解説コラムを発行して…

ピックアップ記事

  1. 2024-4-12

    BCG支援のVC、Bキャピタル、気候変動プラットフォームのリードへ向け新たな幹部を発表

    4月8日、マルチステージのベンチャー投資会社であるBキャピタルは、気候変動投資プラットフォームの拡…
  2. 日本、IFRSベースのサステナビリティ報告基準案を公表

    2024-4-11

    SSBJ(サステナビリティ基準委員会)、IFRSベースのサステナビリティ報告基準案を公表

    4月3日、サステナビリティ基準委員会(SSBJ)は、IFRS財団の国際サステナビリティ基準委員会(…
  3. 2024-4-11

    ブラックロック、ESG政策を理由に1.3兆円の資産売却を決定したテキサス州を「無謀」とし、再考を促す

    3月21日、ブラックロックは、テキサス州教育委員会がエネルギー企業への「ボイコット」とESG投資慣…

アーカイブ

ページ上部へ戻る