1月11日、世界経済フォーラムは、中国、フランス、米国の3つの工業地帯が、「Transitioning Industrial Clusters(産業クラスターの移行)」イニシアティブに参加したと発表した。
Transitioning Industrial Clustersイニシアティブは、世界経済フォーラムがアクセンチュア、EPRIと共同で立ち上げ、産業クラスターのネット・ゼロへの道を支援することを目的としている。同イニシアティブは、2021年のCOP26で発足して以来、署名した20の産業クラスターすべてが、ガバナンスモデルの改善とカーボンフットプリントの削減を誓約した。現在、二酸化炭素換算(CO₂e)で6億2600万トンの排出削減の可能性がある。国内総生産に3,620億ドルの直接貢献をし、340万人の雇用を創出または保護している。
同時に発表された年次報告書では、世界のCO₂排出量の30%を占める産業部門の脱炭素化を達成し、経済成長と雇用創出を促進する方法を示している。本報告書では、3つの産業クラスターを実践可能なケーススタディとして取り上げ、パートナーシップ、政策、技術、資金という4つの重要な柱にわたって道筋を描いている。特に資金調達は、雇用を創出し成長を促すと同時に、ネット・ゼロの旅をスタートさせ、影響を拡大するために重要なステップであるとした。
報告書はまた、政策枠組みのギャップ、新しいインフラや技術の展開と拡大を支援するための資金調達の解除の必要性、目的に合ったガバナンスモデルの欠如など、産業部門におけるネット・ゼロの達成に向けた重大な課題を浮き彫りにしている。報告書によれば、官民パートナーシップと国境を越えた協力体制を強化し続けることが、これらの課題に対処するために急務である。
【参照ページ】
(原文)20 Industrial Clusters from 10 Countries Commit to Reach Net Zero
(日本語参考訳)世界10カ国の20産業クラスター、ネット・ゼロ達成を約束