グーグル、核融合商用化へ最大規模の電力購入契約 CFSと提携強化

6月30日、グーグルは米コモンウェルス・フュージョン・システムズ(CFS)と、核融合エネルギーに関する世界最大規模の企業向け電力購入契約を締結したと発表した。契約に基づき、バージニア州チェスターフィールドに建設予定のCFS初の商用プラント「ARC」から、200メガワットの二酸化炭素フリー電力を調達する。さらに、グーグルはCFSの技術開発と商用化加速を目的に追加出資を行い、支援を強化した。

核融合は、太陽や恒星のエネルギー源と同じ反応で、軽い原子核を1億度以上に加熱し、プラズマ状態で核融合させ膨大なエネルギーを生む。CFSは高温超電導磁石をドーナツ状に配置したトカマク型装置でプラズマを閉じ込め、制御する技術を開発中だ。コンパクトで商用化に適した設計が特徴で、マサチューセッツ州で実証機「SPARC」の組み立てが進められている。

グーグルは2010年以降、再生可能エネルギーの調達を通じ22GW超のクリーン電力を確保し、自社データセンターの排出削減に貢献してきた。今回の契約は、次世代の持続可能なエネルギー確保に向けた新たな一歩であり、商用核融合市場の形成を後押しするものと位置づけられる。

(原文)Our latest bet on a fusion-powered future
(日本語参考訳)核融合発電の未来への最新の賭け

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成しています。今後の動向により内容は随時更新され…

ピックアップ記事

  1. 2025-10-14

    【PR】10/28 サステナビリティパフォーマンスを重視した情報開示

    ISS ESG評価の視点と実務対応の最前線 ISSコーポレート・ソリューションズ(I…
  2. 2025-10-8

    欧州委員会、サステナビリティ報告関連法規(第三国ESRS)の制定を延期へ

    10月6日、欧州委員会は金融サービス分野における115の「重要ではない2次法(regulatory…
  3. SASBスタンダード対照表の作成ステップ(開示項目一覧表ダウンロード資料付)

    2025-10-7

    SASBスタンダード対照表の作成ステップ(開示項目一覧表ダウンロード資料付)

    サステナビリティ情報開示の質を高めることは、今や重要な経営課題である。単なる開示義務の遵守ではなく…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る