再エネ水素15件に約10億ユーロ支援──EUがクリーン燃料導入を加速

5月20日、欧州委員会は、欧州経済領域内5カ国における再生可能水素生産プロジェクト15件を公的資金の対象として選定し、合計9億9,200万ユーロ(約1,620億円)を助成すると発表した。これらのプロジェクトは、今後10年間で約220万トンの再エネ水素を生産し、1,500万トン超のCO₂排出回避が見込まれている。

助成はEU排出権取引制度(ETS)由来のイノベーション基金から拠出され、水素は輸送、化学、メタノールやアンモニア製造などで使用される予定。12件は1kgあたり0.20~0.60ユーロの固定プレミアムで支援を受ける。

海運部門向けには、専用予算から3件に9,670万ユーロを配分。また、スペイン、リトアニア、オーストリアは別途8億3,600万ユーロの国家資金を「オークション・アズ・ア・サービス」枠で配分予定。

選定案件は今後CINEAと助成契約を結び、最大10年間の支援を受けて再エネ水素の生産を開始する見込み。

(原文)Nearly €1 billion awarded to boost development of renewable hydrogen

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成しています。今後の動向により内容は随時更新され…

ピックアップ記事

  1. 2025-10-20

    SEC議長、ESG株主提案の政治化に警鐘―「企業統治の本質に立ち返るべき時」

    10月9日、米証券取引委員会(SEC)のポール・S・アトキンス議長は、デラウェア大学のジョン・L・…
  2. 【特別対談】人的資本が企業価値を作るーANAが実践するサステナビリティ経営戦略に学ぶ(前編)

    2025-10-15

    【特別対談】人的資本が企業価値を作るーANAが実践するサステナビリティ経営戦略に学ぶ(前編)

    本記事は、ESG Journalを運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社(以下シェルパ)のC…
  3. 【特別対談】サステナビリティ情報開示の進展が企業価値向上を実現。AI/テクノロジー活用への期待(後編)

    2025-10-15

    【特別対談】サステナビリティ情報開示の進展が企業価値向上を実現。AI/テクノロジー活用への期待(後編)

    本記事は、ESG Journalを運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社(以下シェルパ)のC…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る