8月28日、キャップジェミニ・リサーチ・インスティテュートが発表した最新レポート「Data-Powered Enterprises: The Path to Data Mastery」によると、企業が持続可能性とビジネス成長の両方を追求する上で、データとAIの活用がますます重要な役割を果たしていることが明らかになった。本レポートは、500人のデータエグゼクティブと500人のビジネスエグゼクティブを対象とした調査に基づいている。
企業の83%が現在、持続可能性基準でベンダーを評価している中、データが環境への影響を管理するための重要なツールとして浮上している。
ジェネレーティブAIの普及とその課題
レポートによれば、60%の企業がジェネレーティブAIのパイロットプロジェクトや概念実証(PoC)を実施している。しかし、75%の企業がこの技術を大規模に展開する際に直面する課題を認識しており、技術的および組織的な困難が立ちはだかっている。それでも、ジェネレーティブAIはデータ分析の効率化や、企業のネットゼロ目標達成を支援する可能性を持っている。
キャップジェミニのグローバル・サステナビリティ・サービスおよびコーポレート・レスポンシビリティの責任者、シリル・ガルシア氏は「我々はコンサルティングの専門知識、エンジニアリング能力、デジタルトランスフォーメーションを組み合わせることで、企業が持続可能性の課題を価値の創出のために活用できるよう支援しています」と強調している。
AIの利点と持続可能性のバランス
AIのカーボンフットプリントの高さが課題として認識されている中、エグゼクティブの78%がAIが従来のITプログラムよりも環境に与える影響が大きいと認めている。持続可能なAI戦略の策定が求められている背景には、こうした認識がある。
データの有効活用が進む一方で、企業がジェネレーティブAIを完全に活用するために必要な文化的および倫理的ガードレールが整っていると考えるデータエグゼクティブはわずか40%にとどまっている。一方、技術的基盤に自信を持っているエグゼクティブは56%に上る。
持続可能な未来への道
データとAIを持続可能な方法で統合することは、企業の競争力を高めるだけでなく、環境への影響を最小限に抑えるためにも不可欠である。企業がデータ活用型企業として成功するためには、技術的能力の向上と同時に、ガバナンスフレームワークの強化も必要だ。キャップジェミニのレポートは、この変革の道のりが複雑である一方で、その報酬は大きいことを示唆している。
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(原文)Data powered enterprises 2024