8月1日、シンガポール通貨庁(MAS)は、シンガポール初のソブリン・グリーンボンドである「グリーン・シンガポール政府証券」(グリーンSGS)を発行する予定であることを発表した。 本グリーンボンドは、週内にブックビルディング方式で発行され、シンガポールドル建てで、期間は30年または50年、最低発行額は約15億シンガポールドル(約1,477億円)になる予定である。 具体的な期間と発行規模は、今後の市場動向を踏まえて決定される予定だ。
シンガポール初のソブリン・グリーンボンドは、シンガポール政府およびその法定理事会が2030年までに発行する最大350億シンガポールドル(約3,447億円)のソブリンおよび公共部門のグリーンボンドというパイプラインの一部を構成している。
グリーンSGSは、シンガポール・グリーンボンド・フレームワークに基づいて発行される。本フレームワークには、シンガポール政府が意図するグリーンボンド資金の用途、対象プロジェクトの選定に関するガバナンス構造、グリーンボンド資金の管理に関する運用アプローチ、年次配分とインパクトレポートへの取り組みが詳細に記載されている。
グリーンSGSの収益は、ジュロン・リージョン・ラインやクロスアイランド・ラインなど、シンガポール・グリーンプラン2030を支援するための支出に充てられる。
今回の発行は、通常のSGSオークションに加え、新たなSGSの発行方法としてシンジケーションを導入するものである。シンジケーションとは、ブックランナーと呼ばれる銀行団を任命し、共同で債券を販売・流通させることである。期間や規模などの発行パラメータはSGS債の価格決定日に決定されるため、シンジケーションは、さまざまな市場環境において政府が発行する能力を高めることになる。
機関投資家および個人投資家は、初回のグリーンSGSの購入を申し込むことができる。機関投資家は、指定されたブックランナー(DBS Bank Ltd. (DBS)、ドイツ銀行シンガポール支店(DB)、香港上海銀行シンガポール支店(HSBC)、中国外換銀行(OCBC)、スタンダードチャータード銀行(シンガポール)リミテッド(SCB)である。その後、MASが公募開始を発表した後、DBS(POSBを含む)、OCBC、United Overseas Bank Limited(UOB)が提供する申込チャネルを通じて、個人投資家が債券の申込を行うことができるようになる。
【参照ページ】
MAS to Launch Inaugural Singapore Sovereign Green Bond Issuance