レゴ・グループ、新たなサプライヤー・サステナビリティ・プログラムを発表

7月3日、レゴ・グループは、サプライチェーンにおける二酸化炭素排出量の削減を目指し、新たなサプライヤー・サステナビリティ・プログラムを開始したと発表した。本プログラムは、2032年までに排出量を37%削減し、2050年までにネット・ゼロを達成するという同社の目標達成をサポートするものである。

レゴ・グループの総炭素排出量の99%以上は、製品の原材料、機械、製品、およびサービスを提供するサプライヤーからの排出である。そのため、サプライヤーの協力は不可欠となっている。

同社は自社の事業から排出される温室効果ガス(GHG)を大幅に削減するために、エネルギー消費を削減し、再生可能エネルギーへの移行を加速させることにも取り組んでいる。今年は、太陽光発電容量を2022年比で16%増加させ、2026年までに倍増させる計画である。また、工場、店舗、オフィス全体の排出量を測定し、短期的な進捗を確認するための年次カーボンKPIも導入した。

サプライヤーへの要求事項と支援

新たなサプライヤー・サステナビリティ・プログラムは、サプライヤーが環境データを報告し、炭素、水、森林への影響を低減するために2014年に開始されたEngage-to-Reduceプログラムに基づいている。主な要求事項は次の通りである。

  • レゴ・グループが購入する製品やサービスに関連する炭素量に関する具体的なデータを提供する
  • 2026年、または2028年までに、製品の生産に関連する排出削減を示す短期目標を設定する
  • より少ない資源を使用するための施設の効率向上、再生可能エネルギーへの切り替え、炭素集約度の低い材料輸送方法の採用などを行う

サプライヤーは2024年から報告書を共有する必要があり、これは毎年の要件となる。レゴ・グループはサプライヤーが目標を達成できるよう、知識と学習を共有し、必要に応じてサステナビリティの専門家チームがサポートする計画である。

レゴ・グループは、サステナブル・マテリアル革新、製造技術、サプライチェーンへの多大な投資を続けており、2023年の環境イニシアティブへの支出を2022年比で60%増加させた。本プログラムは、より持続可能な未来を実現するための重要なステップである。

【参照ページ】
(原文)The LEGO Group calls on suppliers to drive towards net-zero targets
(日本語参考訳)レゴ・グループがサプライヤーにネット・ゼロ目標の推進を要請

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