11月17日、Air Canadaは、産業規模で大気から直接炭素を回収する技術の開発を支援するため、気候技術ソリューション企業のカーボン・エンジニアリング(CE)に675万ドル(約9.5億円)を投資したことを発表した。
カナダに拠点を置くCEは、独自のDAC(Direct Air Capture)技術の展開に注力している。DAC技術は、IEAがネット・ゼロ・エネルギー・システムへの移行における重要な炭素除去オプションとして挙げているもので、大気中から直接CO2を抽出し、原料として使用するか、貯蔵と組み合わせて永久に除去するものである。
今年初めに発表されたIPCCの画期的な気候変動緩和研究によると、温暖化を1.5℃に抑えるシナリオでは、二酸化炭素の除去方法は今後数十年にわたって年間数十億トンにまで拡大し、DACはその大部分を占める可能性があるとされている。
回収された二酸化炭素は、地中深くに永久保存されるか、あるいはCEのAIR TO FUELS技術により大気中の二酸化炭素とクリーンな水素を結合させ、持続可能な航空燃料(SAF)などの超低炭素輸送燃料の生産に利用することができる。
今回の投資は、Air Canadaが昨年発表した、DAC、SAF、炭素除去技術などの機会を模索し、航空機の脱炭素化ソリューションを推進するためにCEと協力する合意を受けてのものである。
Air Canadaは昨年、2050年までに全世界で温室効果ガス排出量(GHG)をネット・ゼロにすることを約束するとともに、2030年までにフライトによるGHG純減20%と地上業務によるGHG純減30%を達成する暫定目標、およびSAFと炭素削減・除去に5000万ドル(約70.8億円)を投資する誓約を含む一連のサステナビリティ目標を発表している。
【参照ページ】
(原文)Air Canada Invests in Canadian Technology that Captures Carbon Directly from the Air to Fight Climate Change
(日本語訳)エア・カナダ、気候変動対策として空気中の炭素を直接捕捉するカナダの技術に投資