シェル、バイオ燃料施設の現地建設を一時停止へ

7月2日、シェル(Shell)の子会社であるShell Nederland Raffinaderij B.V.は、オランダのShell Energy and Chemicals Park Rotterdamにある年産82万トンのバイオ燃料施設の現地建設作業を一時的に停止すると発表した。この決定は、プロジェクトの納期を見直し、市場の現状を踏まえて将来の競争力を確保するためのものであるという。これにより、コスト管理とプロジェクトの最適化が期待される。

同社によると、現地建設の一時停止に伴い、このプロジェクトの減損会計が実施される予定であり、詳細は7月5日に発表されるShellの第2四半期の更新ノートで提供される予定であるとした。Shellは2021年9月にこのバイオ燃料施設の最終投資決定を下しており、同施設は、廃棄物を原料とした持続可能な航空燃料(SAF)および再生可能ディーゼルを生産するために設計された。

Shellは2050年までにネットゼロ排出を目標としており様々な低炭素エネルギーソリューションの開発・普及に取り組んでいる。同社はブラジルのエネルギー会社Raizenとの合弁事業を通じて、世界最大の第二世代エタノールおよびサトウキビエタノールの生産者となっているという。また、2023年6月には、Shellは2023年から2025年の間に100億から150億ドルを投資し、電動モビリティ・低炭素燃料・再生可能電力生成・水素・炭素回収および貯留などの低炭素エネルギーソリューションの開発を支援する計画を発表している。

【参照ページ】
(原文)Shell to temporarily pause on-site construction of European biofuels facility

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成している。今後の動向により内容は随時更新される…

ピックアップ記事

  1. ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    2025-9-15

    ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    ※本記事は、ESG Journal編集部が注目のニュースを取り上げ、独自の視点で考察しています。 …
  2. 2025-9-12

    ISOとGHGプロトコル、温室効果ガス基準を統合へ 世界共通言語の構築目指す

    9月9日、ISO(国際標準化機構)とGHGプロトコルが、既存のGHG基準を統合し、新たな排出量算定…
  3. 2025-9-12

    カリフォルニア州、気候関連財務リスク報告の指針を公表

    9月2日、カリフォルニア大気資源局(CARB)は「気候関連財務リスク開示ドラフト・チェックリスト」…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る