ICE、気候リスク評価を強化 世界2万以上の企業・政府を対象に地理空間プラットフォーム拡張

5月7日、インターコンチネンタル取引所(ICE)は、「ICE Global Climate Risk Solution」の提供対象を世界2万以上の企業・政府に拡大したと発表した。本ソリューションは、世界16億棟以上の建物フットプリントデータを活用し、物理的リスクと移行リスクの将来予測に基づくスコアを提供する。

洪水や山火事、ハリケーンなど8種の自然災害に対する暴露度と、排出量・気候目標の情報を統合することで、多様な資産クラスにおける気候リスクを評価可能とする。現在は300万件超の企業資産をカバーし、将来的には900万件への拡大を予定。Hazard Watch機能により、新たなリスクもリアルタイムで監視できる。

建物単位の詳細データとシナリオ連動型指標を提供することで、投資家が気候リスクを財務的影響に結びつけて評価し、規制対応や投資判断に活用することが可能となる。ICEは、今回の拡張により気候関連情報の透明性と信頼性を高め、気候変動が金融市場へ及ぼす影響の可視化を目指す。

(原文)ICE Expands Geospatial Platform to Include 20,000 Global Corporates and Sovereigns

関連記事

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. 2025-6-13

    CSRD改革案に欧州企業が懸念 調査で現場の支持と課題が明らかに

    5月、欧州のNGOであるWeAreEuropeは、CSRD(企業サステナビリティ報告指令)について…
  2. 2025-6-12

    環境省、中小企業の脱炭素化支援へ新指針 – 地域ぐるみで推進

    5月19日、環境省は中小企業の脱炭素経営を推進するための「地域ぐるみでの支援体制構築ガイドブック(…
  3. TNFD開示を支援する 主要ツール比較と選定ポイント

    2025-6-11

    TNFD開示を支援する 主要ツール比較と選定ポイント

    2024年にTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース(Taskforce on Nature-…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る