3月20日、ヘルシンキを拠点とし、カーボンクレジット発行プラットフォームを手がけるPuro.earthは、累計で100万トン分の二酸化炭素(CO2)を除去したと発表した。これは2019年から発行してきたCO2除去証書(CORC:CO2 Removal Certificates)が累計1,100万件を超えたことによる成果で、除去量として100万トンに相当する。

Puro.earthは、DACCS(直接空気回収・貯留)やBECCS(バイオエネルギー・CCS)などによる地質貯留(GSC)が全体の34.3%、バイオ炭が34.1%と、いずれも高精度かつスケーラブルな除去手法である点を強調した。クレジット発行のうち、52%強に当たる57万トン分はすでに引き取られており、企業のカーボンオフセットとして実際に活用されている。

発行実績は米国が全体の45%を占めており、次いでフィンランド、ボリビア、ブラジルが上位に続く。初期の市場形成にはマイクロソフトやグーグル、Frontier Buyersといった先行企業の貢献が大きく、今後は航空・鉄鋼・化学など排出削減が困難な産業の参加拡大が期待されている。すでにSkiesFiftyとGigablueによる20万トンの長期取引など、大型契約も現れ始めている。

Puro.earthのバイスチェアマンであるアンッティ・ヴィハヴァイネンは「この100万トン達成は、投資家、技術開発者、意欲的な購入者が一体となって市場を構築してきた成果だ」とコメントした。また、今後2026年上半期までに、さらなる100万トン達成を目指すとした。

(原文)Puro.earth Reaches Major Milestone of 1 Million Tonnes of CO2 Removed

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