ゴールドマンサックス、生物多様性保全に特化した新債券ファンドを発表

2月27日、ゴールドマンサックス(Goldman Sachs Asset Management)は、生物多様性の保全と回復をテーマとした「Goldman Sachs Biodiversity Bond fund」を発表した。同ファンドは、投資家が生物多様性分野に特化した固定利付証券へアクセスできる初の債券ファンドの一つとなる。

同ファンドは、投資適格の企業債を主な投資対象とし、先進国および新興市場の債券を含むポートフォリオを構築する。また、EUの「SFDR(サステナブルファイナンス開示規則)」のArticle 9に準拠した開示を行う。投資対象には、生物多様性関連プロジェクトへの資金供給を目的とした「ラベル付き債券」と、生物多様性保全や回復を事業活動として行う企業が発行する「ラベルなし債券」の双方が含まれる。

債券の選定は、同社の独自分析とサステナブル投資フレームワークに基づいて行われ、国連の持続可能な開発目標(SDGs)のうち、生物多様性に関連するSDG6(安全な水とトイレを世界中に)、SDG12(つくる責任 つかう責任)、SDG14(海の豊かさを守ろう)、SDG15(緑の豊かさも守ろう)に沿ったものとなる。さらに、ラベル付き債券は、国際資本市場協会(ICMA)の「GSS Bond Principles」に適合する形で発行される。

同ファンドは、同社の既存のサステナビリティボンドファンドのラインナップを拡充する形で導入された。これには、5つのグリーンボンド専門ファンドなどが含まれ、同社はサステナブル投資の分野で幅広い選択肢を提供している。

投資家は、同ファンドを通じてグローバルな債券市場へ分散投資でき、ユーロ、米ドル、英ポンド建ての債券にもアクセス可能である。ファンドはルクセンブルク籍で、特定の地域の適格投資家向けに提供される予定である。

【参照ページ】
(原文)Goldman Sachs Asset Management Launches Biodiversity Bond Fund

関連記事

おすすめ記事

  1. TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    2025-7-10

    TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    ※本記事は2024年10月の内容にGX-ETSに関する内容を追記し再掲載している。(2025年7月…
  2. TNFD開示を支援する 主要ツール比較と選定ポイント

    2025-6-11

    TNFD開示を支援する 主要ツール比較と選定ポイント

    2024年にTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース(Taskforce on Nature-…
  3. 進化するサステナビリティ開示 ― 傾向から考える“自社の対応状況”

    2025-6-6

    進化するサステナビリティ開示 ― 傾向から考える“自社の対応状況”

    サステナビリティ情報開示の高度化が急速に進んでいる。TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)…

ピックアップ記事

  1. SSBJ(気候関連開示基準)とGX-ETSの共通点とは?~比較解説と実務効率化~

    2025-8-14

    SSBJ(気候関連開示基準)とGX-ETSの共通点とは?~比較解説と実務効率化~

    日本企業にとって、2026年から「気候変動対応・開示」は、企業価値を左右する重要な経営課題になるで…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 2025-8-11

    バークレイズ、サステナブルファイナンスで累計2,200億ドルを達成

    7月29日、英国大手銀行バークレイズは、2025年上半期のサステナビリティ投資家向けプレゼンテーシ…

““登録02へのリンク"

ページ上部へ戻る