
2月、カーボンクレジットの評価・分析を行うSylveraは、新たにバイオチャー炭素除去プロジェクトのレーティングを開始した。この取り組みは、炭素市場の透明性を高め、バイオチャーを活用した炭素除去プロジェクトの信頼性を確保することを目的としている。
バイオチャーは、有機バイオマスを低酸素状態で熱分解する「パイロリシス」によって生成される炭素リッチな物質である。土壌改良や炭素隔離に活用されるほか、長期間にわたって炭素を固定できることから、二酸化炭素除去(CDR)の手法として注目されている。近年、この市場は急成長を遂げており、2023年には全CDRプロジェクトの90%以上のカーボンクレジットがバイオチャープロジェクトから発行された。市場規模は6億ドルに達し、今後もさらなる拡大が見込まれる。
Sylveraは、この成長市場における信頼性向上のために、独自のバイオチャーレーティングフレームワークを開発した。このフレームワークでは、プロジェクトの炭素除去の有効性、恒久性、経済的実現可能性を評価基準としており、データサイエンスや機械学習技術を活用して客観的な分析を行う。さらに、第三者の専門家によるピアレビューを実施し、評価の正確性と信頼性を確保している。
Sylveraは、バイオチャープロジェクトの開発者と積極的に連携し、最新のデータをもとに評価を実施している。プロジェクト開発者は、評価結果を受け取った後にフィードバックを提供できる仕組みが整えられており、新たなデータの追加や修正にも柔軟に対応できるようになっている。このレーティングはすでにSylveraのプラットフォーム上で提供されており、ユーザーは詳細な評価を閲覧することが可能だ。今後、バイオチャー市場のさらなる発展とともに、Sylveraのレーティングが業界標準のひとつとなることが期待される。
【参照ページ】
(原文)Sylvera’s New Biochar Framework: Ensuring Quality and Trust in Carbon Projects
(日本語参考訳)シルベラの新しいバイオチャーフレームワーク: 炭素プロジェクトの品質と信頼の確保