SSAB、AWSと化石燃料ゼロ鋼材供給で協力

11月26日、SSABはアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)との間で、化石燃料フリー鋼供給に関する協力契約を締結した。この協力により、スウェーデンに新設されるAWSのデータセンター3施設のうち1施設に、SSAB独自のHYBRIT®技術を用いた化石燃料フリー鋼が試験的に供給される。SSABの子会社であるRuukkiが、施設の屋根および壁構造材を提供する。

AWSは現在、スウェーデンのメーラルダーレン地方で3つの新しいデータセンターを建設中だ。使用する鋼材の炭素排出量を抑えるため、主にリサイクルスクラップから製造された鋼材を採用しているが、スクラップ資源には限りがある。そのため、AWSはSSABおよびRuukkiと連携し、HYBRIT技術を用いたバージン鋼の試験的供給を確保した。

HYBRIT技術は、SSABが鉄鉱石企業LKABおよびエネルギー企業Vattenfallと共同開発したもので、従来の高炉を用いた炭素集約型の鋼材生産に代わる手法だ。この技術では、化石燃料を使用せず、再生可能エネルギーで生成した水素を使用してスポンジ鉄を製造し、鋼材に加工する。この過程で排出されるのは水蒸気のみであり、鋼材製造に伴うCO2排出をほぼ完全に排除する。

HYBRIT技術を用いて製造された鋼材はSSABによって提供され、Ruukkiのサンドイッチパネルとして、ヴェステロースにあるAWSの新データセンターに使用される予定だ。

従来の鉄鋼生産は、世界のCO2排出量の約7%を占める。SSABは、鋼材の製造プロセスを根本から変えることで、顧客やパートナーと共に完全に化石燃料ゼロのバリューチェーンを構築することを目指している。

【参照ページ】
(原文)SSAB enters fossil-free steel collaboration with Amazon Web Services
(日本語参考訳)SSABがアマゾン・ウェブ・サービスと化石燃料を使わない鉄鋼の共同開発に参入

関連記事

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. 2025-5-16

    EBA、EU域内銀行の気候リスク指数を初公開

    4月25日、欧州銀行監督機構(EBA)は25日、EUおよびEEA(欧州経済領域)域内の銀行セクター…
  2. 2025-5-16

    米国グリーンビルディング協会、持続可能な建築基準「LEED v5」を発表

    4月28日、米国グリーンビルディング協会(USGBC)はLEED(Leadership in En…
  3. 2025-5-14

    ニューヨーク市会計監査官、新たな排出削減基準を発表

    4月22日、ニューヨーク市会計監査官(Comptroller)のBrad Lander氏は、アース…

““登録02へのリンク"

ページ上部へ戻る