EU、排出量取引収入の約30億ユーロを10カ国のクリーンエネルギーシステムに投資
6月24日、欧州連合(EU)は近代化基金を通じて29億6,700万ユーロ(約4,361億円)を拠出し、10のEU加盟国における39のエネルギープロジェクトを支援すると発表した。
この基金は、EUの排出量取引制度による収益で賄われるもので、13の低所得加盟国による気候中立への移行を支援することを目指している。
これらの投資は、エネルギーシステムの近代化を支援し、エネルギー、産業、輸送部門の温室効果ガス排出量を削減し、エネルギー効率を向上させるものだ。今回の資金拠出は近代化基金を通じて行われた最大のものであり、2021年1月以降、総支出は126億5000万ユーロ(約1兆8,595億円)に達した。また、加盟国が気候およびエネルギーの目標を達成するのを支援し、EUの長期目標である2050年までの気候中立目標に貢献することができる。
2024年の最初の拠出を受ける加盟国は、ブルガリア(6,520万ユーロ、約960億円)、クロアチア(5,200万ユーロ、約765億円)、チェコ(8億3,520万ユーロ、約1,240億円)、エストニア(2,410万ユーロ、約358億円)、ハンガリー(7,680万ユーロ、約1,140億円)、ラトビア(2,680万ユーロ、約398億円)、リトアニア(5,900万ユーロ、約875億円)、ポーランド(6億9,750万ユーロ、約1,035億円)、ルーマニア(10億9,500万ユーロ、約1,620億円)、スロバキア(3,500万ユーロ、約518億円)である。
支援されたプロジェクトは、再生可能エネルギーでの発電・展開、エネルギーネットワークの近代化、およびエネルギー効率の向上に焦点を当てている。
過去に資金提供を受けた事例としては、ブルガリアでの電力送電網の強化、エストニアでの公共部門の建物におけるエネルギー効率向上、ハンガリーでの地域暖房システムの近代化、ラトビアでの再生可能エネルギー利用、スロバキアでの再生可能水素の生産などが含まれる。
【参照ページ】
(原文)EU invests close to €3 billion of emissions trading revenues for cleaner energy systems in 10 EU countries via the Modernisation Fund
(日本語参考訳)EUは、近代化基金を通じて、排出量取引収入の約30億ユーロをEU10カ国におけるよりクリーンなエネルギーシステムに投資している。