Active SuperのESG主張、誤解を招くと豪州の連邦裁判所が判断

6月5日、オーストラリアの連邦裁判所は、退職年金基金Active Superの管財人であるLGSS Pty Limitedが、環境・社会・ガバナンス(ESG)に関する主張において法を違反したと判断した。Active Superは、環境やコミュニティにリスクをもたらすギャンブル、石炭採掘、オイルサンドなどの投資を排除するとマーケティングで主張していた。しかし、2021年2月1日から2023年6月30日までの期間において、Active Superはこれらの投資を行っていたことが判明した。

裁判所は、Active Superが直接および間接的に(投資信託やETFを通じて)これらの証券を保有していたことを確認した。オキャラハン判事は、「通常の消費者は直接保有と間接保有の区別をしない」とし、Active Superの主張を退けた。

今回の判決により、ASIC(オーストラリア証券投資委員会)は、「これは金融サービス業界における誤解を招くマーケティングやグリーンウォッシングに対する我々の取り組みを示す重要な結果である」とコメントした。今後、裁判所は適切な救済措置や罰金を検討する予定である。

【参照ページ】

(原文) Court finds Active Super made misleading ESG claims in a greenwashing action brought by ASIC

(日本語参考訳) 裁判所は、ASICが起こしたグリーンウォッシング訴訟でアクティブ・スーパーが誤解を招くESG主張を行ったと認定

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成しています。今後の動向により内容は随時更新され…

ピックアップ記事

  1. 【2026年本格適用】CBAM(炭素国境調整メカニズム)への実務対応ガイド

    2025-10-27

    【2026年本格適用】CBAM(炭素国境調整メカニズム)への実務対応ガイド

    2026年1月からEUでは炭素国境調整メカニズム(Carbon Border Adjustment…
  2. 2025-10-27

    GRIとCDP、環境報告の共通化へ―新マッピングでデータ活用を促進

    10月21日、国際的なサステナビリティ報告基準を策定するGlobal Reporting Init…
  3. 【特別対談】人的資本が企業価値を作るーANAが実践するサステナビリティ経営戦略に学ぶ(前編)

    2025-10-15

    【特別対談】人的資本が企業価値を作るーANAが実践するサステナビリティ経営戦略に学ぶ(前編)

    本記事は、ESG Journalを運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社(以下シェルパ)のC…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る