BoschとLigier、水素エンジン搭載の高性能車に関する戦略的開発パートナーシップを締結

5月10日、総合電機大手Bosch Engineeringと仏レーシングカー製造Ligier Automotiveは、高性能水素エンジン車の開発に関する戦略的パートナーシップを発表した。

共同活動の第一段階として、両社はLigier JS2 Rをベースにしたデモ車両を製作する。水素エンジン搭載のLigier JS2 RH2は、市販車と比較して、3つの水素タンクを内蔵した新型カーボンモノコックを装備している。駆動には、標準的なV6ガソリンエンジンを改造したものが使用される。2023年の夏までにはテストコースでの走行を目指す。

Boschは、スーパースポーツカー、スペシャルプロジェクト、モータースポーツなどの専門開発パートナーとして20年以上の経験を生かし、車両コンセプト全般を担当する。特に、エンジン、水素貯蔵タンク、そして水素の全体的な安全コンセプトが含まれる。

Ligierはレースのスペシャリストとして、車両技術、エンジン設計、テストにおける長年の専門知識をこのプロジェクトに提供する。共同プロジェクトにおいて、リジェ・オートモーティブは、車両アーキテクチャ、H2システムと冷却システムの車両への統合を担当する。

プロジェクトの目標は、従来のガソリンエンジン搭載のスポーツカーと同等のドライビングダイナミクスを実現する水素エンジン搭載の高性能車を製作し、エンジンマネジメントと水素貯蔵の分野における具体的な車両開発の可能性を示すことである。さらに、本プロジェクトは、複雑な水素技術を車両に導入する上で、BoschとLigierが共有する専門知識を証明するものでもある。

【参照ページ】
(原文)Bosch Engineering and Ligier Automotive establish strategic development partnership for high-performance vehicles with a hydrogen engine
(日本語参考訳)BoschとLigier、水素エンジン搭載の高性能車に関する戦略的開発パートナーシップを締結

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成している。今後の動向により内容は随時更新される…

ピックアップ記事

  1. 2025-9-16

    セブン&アイHD、TCFD・TNFD統合開示を公表 財務インパクトの試算と自然資本分析も深化

    9月8日、セブン&アイ・ホールディングスは、「気候・自然関連情報報告書―TCFD・TNFD統合開示…
  2. ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    2025-9-15

    ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    ※本記事は、ESG Journal編集部が注目のニュースを取り上げ、独自の視点で考察しています。 …
  3. 2025-9-12

    ISOとGHGプロトコル、温室効果ガス基準を統合へ 世界共通言語の構築目指す

    9月9日、ISO(国際標準化機構)とGHGプロトコルが、既存のGHG基準を統合し、新たな排出量算定…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る