2月20日、EUの上院に相当するEU理事会と下院に相当する欧州議会は、二酸化炭素除去(CDR)、炭素貯留型農業、製品への炭素貯留に関するEU認証フレームワークの設立について、政治的合意に達した。今後は両議会での立法手続きが行われる予定。
本EU認証は、任意の制度として設けられるものであり、取得が必須ではない。気候変動に関するプロジェクトへの関心の高まりを受けて、EUは信頼性の高いフレームワークの確立を目指し、市場メカニズムを支援することを意図している。
本認証は以下の4つのメソドロジーで整備される予定である。欧州委員会の原案よりも、より広範囲の排出除去・貯留に対象が拡大されている。
- 恒久的炭素除去
- 一時的炭素貯留
- 炭素農法による一時的な炭素貯留
- 土壌管理による炭素と一酸化二窒素の削減を含む土壌排出削減
炭素農法や土壌排出削減活動による一時的炭素貯留は、少なくとも5年間続けられなければ認証される。また、投機目的で土地を取得し、農村地域に悪影響を及ぼす場合にも認証されない。
EUは、2026年までに土壌以外の排出削減活動を認証することの可能性について報告書を作成する予定であり、これには畜産における排出削減活動も含まれる。
EU認証はEU域内の活動に限定されるが、近隣の第三国がEUの環境基準に準拠している場合には、EU域外での地中炭素貯留も認証の対象となる可能性がある。
本認証では、定量性、追加性、長期貯留、サステナビリティの4つの包括的基準が設定される。また、炭素農法では生物多様性の利益も考慮される。
認証されたプロジェクトには、モニタリング期間が設けられ、貯留されたCO2が放出された場合には責任を負う。透明性の高い情報公開のために、EU単位の電子帳簿も整備される予定である。