2月21日、航空宇宙大手のAirbusとエネルギー企業のTotalEnergiesは、持続可能な航空燃料(SAF)の開発を推進し、2050年までに航空部門のカーボンニュートラルを達成することを目的とした航空部門の脱炭素化を支援することを目的とした、新たな戦略的パートナーシップの開始を発表した。
燃料は航空部門の排出量の大部分を占める。一般的に、廃油や農業残渣などの持続可能な資源から生産されるSAFは、ライフサイクルGHG排出量が従来の燃料よりも大幅に少ないことから、航空業界の脱炭素化を支援する重要な手段のひとつと考えられている。しかし、航空会社によるSAFの利用を大幅に増やすための努力は、現在市場に出回っている供給量の少なさや、従来の化石燃料をはるかに上回る価格など、大きな課題に直面している。
新たなパートナーシップの下、TotalEnergiesはAirbusに、欧州で必要とされるSAFの半分以上を供給する。また、両社は、現在および将来の航空機の設計に合わせた100%持続可能な燃料の開発や、SAFの組成が排出削減や飛行機雲などのCO2以外の効果に及ぼす影響の研究を目的とした研究開発プログラムでも協力する。
Airbusは、2024年までに世界の燃料ミックスに占めるSAFの割合を15%に、2030年までに少なくとも30%にするという目標を含む、SAF関連の一連の目標を設定している。同社は2023年に1,100万リットルのSAFを使用し、その年のSAF使用目標10%を上回った。Airbusの航空機は現在、最大50%のSAF混合燃料で飛行可能であり、同社は航空機が最大100%のSAFで飛行できるようになることを期待している。
新パートナーシップは、TotalEnergiesが昨年発表した、2028年までに年間50万トンの生産能力を達成し、2030年までに年間150万トンを生産するという目標を含む、SAF生産を拡大するための新たな目標に続くものである。TotalEnergiesは、同社が提供するSAFは、化石燃料と同等のものと比較して、ライフサイクル全体で最大90%のCO2排出量を削減できると述べた。
【参照ページ】
(原文)Airbus and TotalEnergies sign strategic partnership for sustainable aviation fuels
(日本語参考訳)AirbusとTotalEnergies、SAFに関する新たなパートナーシップを開始