KPMG調査:約半数の企業がESGデータの管理にまだスプレッドシートを使用

KPMG調査:約半数の企業がESGデータの管理にまだスプレッドシートを使用

2月13日、プロフェッショナル・サービス会社であるKPMG USが発表した新しい調査結果によると、ほとんどの大企業はESGデータとレポーティング能力を強化しつつあり、大半は今後数年間でサステナビリティ関連のソフトウェアとワークフォース能力への投資を増やす予定である。

KPMG USは、新調査のために、上場・非上場企業の役員、幹部、管理職550人を対象に調査を行った。調査対象は、売上高が10億ドル(約1,500億円)を超える企業が約3分の2を占め、北米とヨーロッパを中心に、幅広いセクターに及んでいる。

調査によると、サステナビリティ情報の開示に対する規制当局の圧力が高まる中、ESG能力の拡充が多くの企業にとって重要な優先事項として浮上しており、回答者の90%が今後3年間でESGへの投資を増やす計画を報告している。

KPMGによると、本調査では、企業が認識しているESG報告能力と実際の準備状況との間に断絶があることが明らかになった。最も注目すべきは、回答者の83%が自社はサステナビリティ報告において他社より先行していると回答している一方で、多くの企業は高度に手作業的なデータ収集に依存し続けている。使用されているESGデータ管理システムのトップはスプレッドシートが47%と大差をつけ、ESGモジュール付きのERPシステムを使用していると回答したのは38%、ESG専門ソフトウェアソリューションを使用しているのは37%、ESGデータ管理ソリューションを使用しているのは33%にとどまっている。

しかし、半数近くの企業がESGデータをスプレッドシートに依存し続けている一方で、ほとんどの企業が近い将来ESG報告能力をさらに向上させる計画を報告している。その中には、今後3年間で人工知能や機械学習を用いてデータ分析や統合を改善する予定があると回答した企業が58%、ESG報告の質を高めるために従業員や管理職のトレーニングを現在実施していると回答した企業が49%含まれている。

【参照ページ】
(原文)KPMG Survey: Addressing the Strategy Execution Gap in Sustainability Reporting
(日本語参考訳)KPMG調査:約半数の企業がESGデータの管理にまだスプレッドシートを使用

関連記事

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. 2025-5-16

    EBA、EU域内銀行の気候リスク指数を初公開

    4月25日、欧州銀行監督機構(EBA)は25日、EUおよびEEA(欧州経済領域)域内の銀行セクター…
  2. 2025-5-16

    米国グリーンビルディング協会、持続可能な建築基準「LEED v5」を発表

    4月28日、米国グリーンビルディング協会(USGBC)はLEED(Leadership in En…
  3. 2025-5-14

    ニューヨーク市会計監査官、新たな排出削減基準を発表

    4月22日、ニューヨーク市会計監査官(Comptroller)のBrad Lander氏は、アース…

““登録02へのリンク"

ページ上部へ戻る