1月18日、韓国の環境持続可能性に関する取り組みを進める重要な動きとして、大韓貿易投資振興公社(KOTRA)と韓国生産性本部(KPC)は、企業のサステナビリティ評価のリーディングカンパニーであるEcoVadisと基本合意書(MOU)を締結した。
今回の協定の背景には、米国やEUなどの主要な輸出先における、ESGの情報開示要件の拡大がある。EUは、コーポレート・サステナビリティ・デューデリジェンス指令(CSDDDまたはCS3D)を通じて、パートナー企業のESGリスクの管理を義務付けている。こうした規制に対応するため、韓国の大企業のあいだでもEcoVadisレーティングの活用が広がることが予想されている。
本協定における主要な取り組みは以下の通りである。
- カスタマイズされたガイドラインの開発
韓国企業がEcoVadisのサステナビリティ評価を理解し、最大限に活用できるよう効果的なガイドラインを提供 - 韓国語翻訳の精度向上
EcoVadisの評価を英語から韓国語へ翻訳する際の精度を向上させ、幅広い企業へと普及を促進 - 共同ワークショップの開催
KOTRA、KPC、EcoVadisが協力し、ESGの原則についての深い理解を促すワークショップを実施 - 特定業界へのサポート強化
自動車、電子、半導体、IT業界の中小企業に向けたEcoVadis評価完了のための具体的支援を提供
これらの施策により、韓国企業向けにサステナビリティ評価の過程でのサポートが強化されるとともに、持続可能なビジネスの実践が加速することになる。
本協定は韓国に限った取り組みではなく、責任ある事業慣行に向けたアジアの動向を反映している。近年、日本政府も「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン」の策定に着手した。さらに、グローバルなサードパーティーのサプライチェーンに対する評価を、サステナビリティ評価の枠組みに統合することも検討されている。
また、KOTRAとKPCは、先進的な取り組みとして、韓国の中小企業に対するサステナビリティ教育とコンサルティングサービスの提供にリソースを充てることを決定した。こうしたサポートは、包括的なサステナビリティ評価を促進し、中小企業の持続可能な事業慣行を加速させ、持続可能な開発目標(SDGs)へのさらなる貢献を促すと考えられている。
【参照ページ】
韓国政府機関がEcoVadisと戦略的提携を締結