12月11日、国連食糧農業機関(FAO)は、新しい報告書の中で、食糧、飼料、燃料の価格上昇と新型コロナウイルス・パンデミックからの回復の遅れが重なり、アジア太平洋地域のすでに脆弱な立場にある何百万人もの人々の健康と生活に深刻な打撃を与えていることを明らかにした。
最新の統計によれば、アジア太平洋地域は3億7,070万人の栄養不良人口を抱えており、世界全体の栄養不良人口7.4億人の半分を占めている。同様に、アジア太平洋地域は、世界の深刻な食糧不安の半分を占めており、食糧不安状態にある女性は男性よりも多い。実際、生殖年齢にある女性の貧血率は、世界保健総会(WHADA)の世界栄養目標水準に達していない。5歳未満の子どもの発育阻害、消耗症、過体重の有病率も同様である。
FAOと国連の最新統計によれば、健康的な食事を摂るために必要とされる購買力平価(PPP)は平均5.3%上昇した。そのため、同地域の2億3,280万人が、健康的な食生活を送るための費用を捻出できていないと推定される。
同地域の栄養不足の数値は国によって異なるが、特に南アジアでは栄養不足の有病率が15.6%(3億1,360万人)と最も高く、8億900万人以上が中等度または重度の食糧不安に陥っている。これは、アジア太平洋全体の栄養不良人口の約85%を占める。南西太平洋諸島では、一人当たりの状況はさらに悪く、住民の5人に1人が栄養不良であると推定されている。
東アジアを除き、栄養不良に関しては男性よりも女性の方が悪い傾向にある。10人に1人近くが深刻な食糧不安に直面しており、4人に1人近くが少なくとも中程度の食糧不安とみなされている。
全体的な数値はパンデミック期に比べれば若干改善されたとはいえ、2030年までに飢餓をなくすという持続可能な開発目標(SDGs)を達成するには、これらの地域はまだほど遠い。
【参照ページ】
(原文)FAO report: In 2023, in Asia-Pacific millions of people have been unable to afford a healthy diet – women fare worse than men
(日本語参考訳)FAO報告書、アジア太平洋地域の栄養不良人口3.7億人