
3月11日、英国の金融行動監視機構(FCA)および健全性規制機構(PRA)は、2023年に規制対象企業における多様性と包摂性(D&I)の向上を目的とした新たな規則と指針の導入について協議を行った。しかし、幅広い意見が寄せられたこと、今後の立法上の動向を考慮する必要があること、そして現時点で企業に追加の負担を課すべきでないとの理由から、両機関はこの取り組みを進めない方針を決定した。
PRAの最高責任者であるサム・ウッズは、英議会財務委員会委員長のメグ・ヒリアー宛の書簡の中で、「業界から寄せられたフィードバックの幅広さや、規制環境の変化を踏まえ、現時点では新たな義務を課さない方が適切だと判断した」と述べた。D&Iに関する取り組みの重要性は引き続き認識されるが、当局としては、企業の負担を増大させる形での規制強化を避ける方向にシフトした形となる。
本決定により、企業はFCAおよびPRAによるD&I施策の厳格な規制を受けることなく、自主的な取り組みを進めることが可能となる。
【参照ページ】
(原文)Statement on CP18/23 – diversity and inclusion in PRA-regulated firms