欧州理事会と欧州議会、マネーロンダリング防止の専門機関設立で政治的合意

12月13日、欧州理事会と欧州議会は、マネーロンダリングとテロ資金供与からEU市民とEUの金融システムを守ることを目的としたマネーロンダリング対策の一環として、マネーロンダリングとテロ資金供与に対抗するための新たな欧州当局(AMLA)の創設について暫定合意に達した。

AMLAは、金融部門の高リスク義務主体に対する直接的および間接的な監督権限を持つことになる。本合意では、AMLAの設置場所に関する決定は見送られた。

新機関は、義務主体が金融セクターにおけるAML/CFT関連の義務を遵守することを保証するため、各国の監督当局と統合されたメカニズム構築により、マネーロンダリング防止およびテロ資金供与対策(AML/CFT)の枠組みの効率を高めることになる。AMLAはまた、非金融部門を支援し、加盟国の金融情報部門を調整する役割も担う。

監督権限に加え、コンプライアンスを確保するため、直接適用される要件に重大、体系的、または反復的に違反した場合、当局は選択された義務主体に金銭的制裁を課す。

暫定合意では、暗号資産サービス・プロバイダーを含む特定の種類の信用・金融機関が高リスクとみなされる場合、または国境を越えて営業している場合、AMLAに直接監督する権限が追加される。

AMLAは、複数の加盟国において高いリスクを示す信用・金融機関の選別を実施する。選定された義務主体は、AMLAが率いる合同監督チームによって監督され、特に評価と検査が実施される。同協定では、最初の選定プロセスにおいて、最大40のグループおよび事業体を監督する権限を委託している。

【参照ページ】
Anti-money laundering: Council and Parliament agree to create new authority

関連記事

“イベントへのリンク"

おすすめ記事

  1. 2024-4-9

    SBTN(Science-Based Targets for Nature)とは。企業のネイチャーポジティブ経営を実現する目標設定の方法論を解説。

    TNFDのフレームワークが公開され、先進企業ではフレームワークに基づく情報開示が進みつつある(20…
  2. 2024-4-2

    【さくっと読める】TNFDの開示とは。重要ポイントを抽出。

    2023年9月、TNFDのフレームワークが完成し公開された。2023年時点でTNFDに基づく開示を…
  3. 2024-3-26

    【さくっと読める】ESGスコアとは。基本的知識を解説。

    今月から、サスティナビリティ情報開示で関心の高いテーマについて、さくっと読める解説コラムを発行して…

ピックアップ記事

  1. 2024-4-18

    オーストラリア裁判所、グリーンウォッシュ訴訟でバンガードに有罪判決

    3月28日、オーストラリアの連邦裁判所は、バンガード・インベストメンツ・オーストラリアが、同社のE…
  2. 上場企業の40%以上がスコープ3排出量の報告を開始

    2024-4-15

    上場企業の40%以上がスコープ3排出量の報告を開始

    4月に発表した、投資データ・リサーチプロバイダーであるMSCIの新しいレポートによると、世界の上場…
  3. SBTi、ネット・ゼロ目標における炭素クレジットの役割拡大を認める

    2024-4-15

    SBTi、ネット・ゼロ目標における炭素クレジットの役割拡大を認める

    4月9日、科学的根拠に基づく目標設定イニシアティブ(SBTi)は、企業の環境持続可能な行動を気候変…

アーカイブ

ページ上部へ戻る