2月6日、Goldman Sachs Asset Managementは、バイオメタンに特化した新事業、Verdalia Bioenergyの立ち上げを発表した。
Goldman Sachsは、新しいプラットフォームのもと、今後4年間で欧州におけるバイオメタンに10億ユーロ(約1,409億円)以上の資金投入を目指している。
バイオメタン、または再生可能天然ガス(RNG)は、クリーンなエネルギー源への移行において、特に風力や太陽光などのエネルギーソリューションが実用的でないセクターで重要な役割を果たすと期待されている。バイオメタンは、農業廃棄物、産業廃棄物、家庭廃棄物などの有機廃棄物から製造され、化学的には化石由来の天然ガスと同じであるため、既存の送配電インフラを交換することなく、道路輸送や重工業などの脱炭素化が困難なセクターをサポートすることが可能である。
また、バイオメタンガスは、化石ガスが持つ二酸化炭素の排出を伴わない利点に加え、有機廃棄物の分解によって排出されるメタンの回避にも貢献する。
バイオメタン生産能力の拡大は、気候変動に左右されない経済への移行とエネルギー自給率の向上を目指すEU戦略の重要な柱を形成している。2022年5月、EU委員会は、ロシアの化石燃料への依存を急速に減らすとともに、クリーンエネルギーへの移行を加速させる計画「REPowerEU」を開始した。同戦略の一環として、EUは「バイオメタン行動計画」を発表し、2030年までにEU全域のバイオメタン生産能力を現在の約10倍の35bcmに増強することを目的としたツールやインセンティブを打ち出した。
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Goldman Sachsが引用した業界筋によると、EUの計画で示されたバイオメタン生産能力の拡大には、約800億ユーロ(約11兆円)の投資が必要である。
Goldman Sachsは、Verdalia Bioenergyがバイオメタン事業者のリーディングカンパニーになることを目指す。本事業は、バイオメタンガスの開発・買収・建設・運営に焦点を当て、初期段階の開発プロジェクトと大規模な運用資産の両方に投資し、スペインを皮切りにヨーロッパ全域に拡大する。
【参照ページ】
(原文)GOLDMAN SACHS ASSET MANAGEMENT TO LAUNCH VERDALIA BIOENERGY WITH THE AIM TO INVEST IN EXCESS OF €1 BILLION IN THE EUROPEAN BIOMETHANE SECTOR
(日本語参考訳)Goldman Sachs、新たな投資プラットフォームで欧州のバイオメタン事業に照準