1月4日、国際的な資産運用会社ロベコは、2024年のエンゲージメントで企業と協議する2つの新たな重点テーマとして、海洋サステナビリティと有害化学物質の段階的廃止を導入することを発表した。さらに、気候変動目標に沿うよう高炭素企業への圧力を強化し、ファッション業界の主要なサステナビリティ問題に取り組むため、ファッション企業とのエンゲージメントを強化する。
ロベコによると、エンゲージメントの各テーマは顧客との協議の上で選定された。本資産運用会社の持続可能な投資エンゲージメントは通常3年間行われ、エンゲージメントの専門家が選ばれた投資先企業と接触し、目標に対する進捗状況を追跡する。
ロベコの新しい海洋生物多様性テーマは、水産養殖や漁業など海洋生物に大きな影響を与えると評価された約6社を対象とし、海洋汚染や乱獲などの問題に焦点を当てる。また、生物多様性に焦点を当てた投資家エンゲージメント・グループ「ネイチャー・アクション100」への参加を通じて、深海採掘の影響についても取り組んでいく。
有害化学物質のテーマでは、特にPFASの段階的廃止に重点を置き、約6社を対象とする。「永遠の化学物質」として広く知られるPFASは、1940年代から幅広い消費財や工業製品に使用されてきた化学物質群であり、食品包装、布地、台所用品、消火用泡、電子機器などによく含まれている。この化学物質は非常に難分解性で、時間が経っても分解されない傾向があり、人体や環境に蓄積されることがわかっている。
ロベコは、2021年後半に開始した「パリへの加速」というテーマの下、パリ協定の気温目標を達成するためにビジネスモデルの転換を加速させることに重点を置き、ネット・ゼロへの転換が遅れている高炭素企業をターゲットにすると述べた。ロベコによると、42社に対して最低基準を設定し、先進国企業には2026年、新興国企業には2028年を期限とし、基準を満たさない場合は除外される可能性があるという。
サステナブル・ファッションというテーマは、投資家が魅力的な投資リターンを得ると同時に、ファッション業界のサステナビリティに焦点を当てた変革を促進するという2つの目的を達成できるようにすることを目的とした、ファッション・エンゲージメント株式戦略の立ち上げに続くもの。本ファンドは、ディーセント・ワーク、天然資源管理、サーキュラー・モデル、ステークホルダー管理、ガバナンス&ポリシーなどの主要分野にわたって、持続可能性の向上について各ポートフォリオ企業と協力することを視野に入れながら、ファッションのバリューチェーン全体にわたる30~40の上場企業に投資することを目標としている。
【参照ページ】
(原文)Ocean life and hazardous chemicals lead 2024 engagement themes
(日本語参考訳)ロベコ、海洋・気候 サステナビリティを企業活動のターゲットに