Stripe、炭素除去の事前注文を可能にするプラットフォームを立ち上げ

 

11月30日、金融インフラプラットフォームプロバイダーのStripeは、事前市場コミットメント連合Frontierを通じて事前注文することにより、企業がサステナビリティプログラムに二酸化炭素除去を統合できるようにすることを目的とした新しいプラットフォーム、Climate Ordersの立ち上げを発表した。

昨年発表された気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の気候変動緩和研究によると、温暖化を1.5℃に抑えるシナリオには、今後数十年にわたって年間数十億トンに拡大する二酸化炭素除去方法が含まれている。しかし、同報告書では、二酸化炭素を回収・貯蔵する既存の解決策は複数存在するものの、そのほとんどは初期段階であり、現在のところ規模が限定的であるとも指摘している。

テック企業のStripe、Alphabet、Shopify、Meta、そして世界的な経営コンサルティング会社のMcKinseyのコミットメントにより2022年4月に発足したFrontierは、恒久的な炭素除去を購入するための先行市場コミットメントであり、将来の需要を保証する炭素除去技術の開発を加速させることを目的としている。同連合は今年初め、Autodesk、H&Mグループ、JPモルガン・チェース、Workdayを含む4社の新規加盟を発表し、同グループのコミットメント総額は10億ドル(約1,440億円)を超えた。炭素除去の需要プールを設定することに加え、Frontierは、大量かつ低コストを実現する可能性のあるソリューションに焦点を当て、サプライヤーを審査する。

新サービスでは、企業はFrontierの成長段階にある炭素除去企業のポートフォリオから、特定の炭素除去トン数を予約注文することができ、納品時には証明書が発行される。

本サービスは、気候変動目標を達成するために特定の炭素除去トン数を購入したい企業や、自社の顧客がFrontierのポートフォリオから炭素除去トン数を購入できるようにしたい企業を対象としている。新システムは、企業向け気候変動プラットフォームWatershed、炭素市場インフラプラットフォームPatch、炭素除去に特化した非営利団体Terrasetなどの企業ですでに利用されている。

【参照ページ】
(原文)Stripe launches Climate Orders, enabling businesses to pre-order carbon removal tons
(日本語参考訳)Stripe、炭素除去の事前注文を可能にするプラットフォームを立ち上げ

関連記事

“セミナーへのリンク"

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. 【PR】11/20ESG Journal Cafe 『SSBJ基準対応に向けたギャップ分析と改善アプローチを徹底解剖』

    2024-10-28

    【PR】11/20ESG Journal Cafe 『SSBJ基準対応に向けたギャップ分析と改善アプローチを徹底解剖』

    「ESG Journal Cafe」は、「ESG Journal Japan」が主催する会…
  2. 2024-10-24

    S&Pグローバル、「S&Pグローバル気候センター・オブ・エクセレンス」を発表

    10月10日、S&Pグローバルは、「S&Pグローバル気候センター・オブ・エクセレン…
  3. お役立ちツール「開示基準の早見表」のご紹介

    2024-10-15

    お役立ちツール「開示基準の早見表」のご紹介

    ESG Journalでは、実務に役立つ資料やツールを無料で公開しています。今回は、大好評の「開示…

““登録02へのリンク"

ページ上部へ戻る