CREA、2024年に中国の二酸化炭素排出量が減少に転じる可能性を示唆

11月13日、フィンランドの環境シンクタンクである「エネルギー・クリーンエア研究センター(CREA)」は、中国の二酸化炭素排出量が2024年に減少に転じる可能性があるとの見方を発表した。足元で低炭素エネルギー源の導入が記録的に増加しており、これによって構造的な転換が生じる可能性があるとの評価である。

CREAは、中国の様々な統計データをもとに、排出量の動向を分析している。2023年の第3四半期における中国の排出量は前年同期比で4.7%増加したものの、新型コロナウイルス・パンデミックからの経済回復が主な要因とされている。一方で、不動産不況の影響により、鉄鋼やセメントなどの需要が減少しており、これによって生産が減少する見込みとされている。

エネルギーの供給面では、風力発電や太陽光発電などの低炭素発電設備が記録的に増加していることが挙げられる。また、水力発電も2022年と2023年の旱魃から回復し、発電量が回復していると報告されている。同時に、太陽光発電、EV、バッテリーなどの生産能力への投資も急増しているとされている。

【参照ページ】
(原文)Analysis: China’s emissions set to fall in 2024 after record growth in clean energy
(日本語参考訳)分析 中国の排出量は、クリーンエネルギーが記録的な伸びを示した後、2024年には減少する。

関連記事

おすすめ記事

  1. 【最新】TISFDとは?概要・指標から国内外基準との関連まで徹底解説

    2025-9-11

    【最新】TISFDとは?概要・指標から国内外基準との関連まで徹底解説

    気候変動や自然資本など、環境領域に関する開示が進みつつある中、次なるテーマは「社会」の領域。TIS…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…

ピックアップ記事

  1. 2025-10-29

    イベントレポート サステナビリティ経営フォーラム2025

    『本質に迫る対話とデータ活用 ~信頼を築く情報開示と戦略の再構築~』 ESG Journal…
  2. 【2026年本格適用】CBAM(炭素国境調整メカニズム)への実務対応ガイド

    2025-10-27

    【2026年本格適用】CBAM(炭素国境調整メカニズム)への実務対応ガイド

    2026年1月からEUでは炭素国境調整メカニズム(Carbon Border Adjustment…
  3. 2025-10-27

    GRIとCDP、環境報告の共通化へ―新マッピングでデータ活用を促進

    10月21日、国際的なサステナビリティ報告基準を策定するGlobal Reporting Init…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る