11月23日、英国政府は、今後数十年にわたるエネルギー転換のニーズに対応するため、電力網の能力を急速に高めることを目的とした新たな一連の重要な改革に加え、主要なネット・ゼロ分野での製造を加速させることを目的として、グリーン産業に9億6,000万ポンド(約1,808億円)を投資する計画を発表した。
新たな9億6,000万ポンド(約1,808億円)の投資は、洋上風力、電力ネットワーク、原子力、CCUS、水素を含む分野に重点的に投資し、英国全域のクリーン・エネルギー・サプライチェーンを支援するグリーン産業成長アクセラレーターを通じて提供される。
本投資は、ジェレミー・ハント財務相が発表した2023年秋の施政方針で発表されたもので、2025年から2030年にかけて戦略的製造業を支援する45億ポンド(約8,476億円)のパッケージの一部であり、自動車セクターへのゼロ・エミッション投資のための20億ポンド(約3,767億円)も含まれている。
持続可能な投資と金融のグループは、声明文の気候変動に焦点を当てた施策を歓迎する一方で、ハントが、インフレ削減法やグリーン産業計画など、米国とEUがそれぞれ打ち出した主要なクリーンエネルギーと産業パッケージへの対応の必要性にさらに踏み込んでいないと批判した。
新たな投資と並行して、クレア・コウチーニョ・エネルギー安全保障長官は、電化を加速させるための一連の電力網改革を発表した。新たな改革には、高圧送電線の建設にかかる期間を14年から7年に半減し、送電網への接続に直面するプロジェクトの平均遅延時間を5年からわずか6ヶ月に短縮する措置が含まれる。
この措置は、電力網の整備の遅れと投資不足が、世界的な気候変動目標の達成に向けた大きな障壁となる恐れがあることを受けてのものだ。国際エネルギー機関(IEA)が2023年10月に発表した報告書によると、気温上昇を1.5℃に抑えるというパリ協定の目標達成の軌道を維持し、再生可能エネルギーの新規導入の増加に対応するためには、2040年までに世界全体で8,000万kmの送電線を増設または交換する必要があり、これは現在の世界全体の送電網とほぼ同じである。
【参照ページ】
(原文)Huge boost for UK green industries with £960 million government investment and major reform of power network
(日本語参考訳)英国、グリーン産業育成に1,800億円超を投資