フランス、社会的責任投資(SRI)ラベルを改訂、石油・ガス企業を除外

11月7日、フランスの経済・財務・産業・デジタル主権相であるBruno Le Maireは、国の「社会的責任投資(SRI)ラベル」の方針改訂を発表し、この改訂では石油・ガス企業がSRIラベルの対象から外れることが示唆されている。

SRIラベルは、2016年にフランス経済・財務省によって設立された任意のラベル制度で、投資信託などがこれを申請して取得する。現在、1,174本のファンドと総額7,700億ユーロ(約125兆円)がSRIラベルを取得している。SRIラベルについては、2021年にLe Maire大臣が強化を表明し、委員会を設立して議論を深めてきた。今回の改訂は、2016年以来の大規模な修正となる。

委員会の提言によれば、今後SRIラベルを取得するためには、石炭やシェールオイル、オイルサンド、炭層メタン、超重質油、ガス・ツー・リキッド(GTL)、コール・ツー・リキッド(CTL)などの非伝統的な化石燃料を開発する企業、および新しい石油やガスの探査、生産、精製プロジェクトを進める企業が除外されることが求められる。また、SRIラベルを持つファンドに組み入れられる企業は、パリ協定に基づいた移行計画を策定することが義務づけられる。

改訂の詳細は11月中に発表され、新しい制度は2024年3月から適用される予定である。

【参照ページ】
(原文)Bruno Le Maire annonce les contours du nouveau label Investissement socialement responsable (ISR)
(日本語参考訳)Bruno Le Maire outlines new Socially Responsible Investment (SRI) label

関連記事

おすすめ記事

  1. TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    2025-7-10

    TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    ※本記事は2024年10月の内容にGX-ETSに関する内容を追記し再掲載している。(2025年7月…
  2. TNFD開示を支援する 主要ツール比較と選定ポイント

    2025-6-11

    TNFD開示を支援する 主要ツール比較と選定ポイント

    2024年にTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース(Taskforce on Nature-…
  3. 進化するサステナビリティ開示 ― 傾向から考える“自社の対応状況”

    2025-6-6

    進化するサステナビリティ開示 ― 傾向から考える“自社の対応状況”

    サステナビリティ情報開示の高度化が急速に進んでいる。TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)…

ピックアップ記事

  1. SSBJ(気候関連開示基準)とGX-ETSの共通点とは?~比較解説と実務効率化~

    2025-8-14

    SSBJ(気候関連開示基準)とGX-ETSの共通点とは?~比較解説と実務効率化~

    日本企業にとって、2026年から「気候変動対応・開示」は、企業価値を左右する重要な経営課題になるで…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 2025-8-11

    バークレイズ、サステナブルファイナンスで累計2,200億ドルを達成

    7月29日、英国大手銀行バークレイズは、2025年上半期のサステナビリティ投資家向けプレゼンテーシ…

““登録03へのリンク"

ページ上部へ戻る