11月9日、グローバル・リポーティング・イニシアティブ(GRI)は、IFRS財団をコンビーニング・パートナーとして、「Sustainability Innovation Lab(SIL)」を立ち上げる計画を発表した。
GRIのCEOであるイェルコ・ヴァン・デル・エンデン氏によると、本イニシアティブは、バリューチェーン全体のサステナビリティ・パフォーマンスを報告する要求が高まる中、企業が「サステナビリティの能力と専門知識のギャップ」に直面していることに由来するという。
GRIサステナビリティ・レポーティング・スタンダードは、企業によるサステナビリティ報告のための最も一般的に受け入れられているグローバル・スタンダードのひとつであり、企業や業界を超えて一貫した報告を可能にし、サステナビリティに関するステークホルダーへの明確なコミュニケーションを提供するために開発された。GRIは2021年に基準の大幅な更新を発表した。
IFRS財団の国際サステナビリティ基準委員会(ISSB)は、2023年6月に一般的なサステナビリティ報告基準(IFRS第1号)と気候変動報告基準(IFRS第2号)を発表した。
GRIによると、SILは、GRI基準とIFRSサステナビリティ開示基準を使用した報告能力を向上させるために、グローバルとローカルのパートナーを結集し、GRIとISSBの代表者、その他の主要なステークホルダーとの協力の場を提供し、新たなサステナビリティ開示のトピックを特定し、コンセプト、ベストプラクティス、データ主導のソリューションを開発する。SILはまた、新たな情報需要に応えることを求められているサプライチェーン参加者のキャパシティ・ビルディングも行う。
SILはシンガポールを拠点とし、当初はGRI ASEANネットワークが運営するアジア各地のオフィスがサポート、GRIとIFRS財団の上級代表が率いる運営委員会が管理する。さらに両組織は、デジタル分類法、監査と保証、中小企業、公共部門報告を含む4つの優先分野に焦点を当てたワーキンググループを設立すると付け加えた。
【参照ページ】
(原文)GRI establishes Sustainability Innovation Lab in coordination with the IFRS Foundation
(日本語参考訳)GRIとIFRS、企業のサステナビリティ報告能力構築の支援でイニシアティブを発表