オーステッドとUCバークレー、再エネ開発による社会的インパクト創出推進で提携
10月5日、デンマーク電力大手オーステッドと米カリフォルニア大学バークレー校Haasビジネススクールは、再生可能エネルギープロジェクトがもたらす社会的インパクトを促進するため、複数年にわたるパートナーシップを締結したと発表した。
国際再生可能エネルギー機関(IRENA)の分析によると、地球温暖化を抑制するためには、2030年までに再生可能エネルギーを年間3.3倍に増やす必要がある。また、気候変動に関する政府間パネル(IPPC)の2023年報告書によると、再生可能エネルギーへ移行が必要なペースと規模で行われ、同時に人々と地域社会に価値をもたらすことが極めて重要であると強調している。
本パートナーシップの目的は、再生可能エネルギーの社会的インパクト向上である。両者は、再生可能エネルギー・プロジェクトの社会的インパクト評価に関する標準化された業界フレームワークの基礎を築く。本フレームワークには、質の高い雇用、教育、インクルージョン、健康、コミュニティへの参画などの要素を含めることが可能。フレームワークの利用により、再生可能エネルギーの顧客、政府、金融界が関連プロジェクトの社会的価値を評価できるようになる。
現在、オーステッドは1,550万kWの再生可能エネルギー設備容量を運営し、490万kWの再生可能エネルギー発電所を建設中。世界的な再生可能エネルギーの拡大において、地域社会と協力し、質の高い雇用、トレーニング、教育、サプライチェーンの開発、生物多様性の回復等にコミットしていく。
オーステッドの社会的サステナビリティへの取り組みの最近の一例として、米「Wind Power Ready」プログラムがある。本プログラムは、同社がプロジェクト開発を行っている地域社会から候補者を積極的に採用し、風力発電所の技術者としてのキャリアにつながる有給の研修とサポート・サービスを提供するもの。ニュージャージー州アトランティックシティ地域の風力発電技術者を雇用することを目標に、ローワン・カレッジ・オブ・サウスジャージーやその他の州・地域組織との協力のもと開発された。
また、オーステッドは、北米建築労働組合(NABTU)の間の全国洋上風力協定(NOWA)を通じて、洋上風力発電プロジェクトの建設に組合労働力を使用することを約束した最初の洋上風力発電事業者である。本協定には、多様で公平かつ包括的な労働力を育成するための訓練・雇用条項が盛り込まれており、現地での訓練プログラムと労働力のダイバーシティに関する実績監視を提供する。
【参照ページ】
(原文)Ørsted and UC Berkeley’s Haas School of Business team up to advance people-positive renewable energy build-out
(日本語参考訳)オーステッドとUCバークレー、再エネ開発による社会的インパクト創出推進で提携