10月17日、神戸製鋼所は、加古川製鉄所の大型高炉でCO2排出量を25%削減できる技術の実機実証に成功した。これは、2021年2月に同社が公表した第一弾での実証結果を大幅に上回る結果であり、高炉実機でのCO2削減手法としてこれまで公表されている中では、世界最高水準のCO2削減効果を有する。このCO2削減効果を活用し、国内で初めて商品化した低CO2高炉鋼材「Kobenable Steel」の普及を図り、増産供給体制の構築を進めていく考え。
実証試験は、2023年4月から6月にかけて加古川製鉄所の大型高炉で約2か月にわたり行われた。実証試験では、高炉に「MIDREXプロセス」のHBI(還元鉄)を多量に装入し、高炉からのCO2排出量を決定づける還元材比(高炉で使用する炭素燃料使用量)を安定的に低減できることを確認した。
世界最少水準の還元材比およびコークス比も同時に達成できており、現有する技術を用いたCO2低減策の中では、実機の大型高炉で安定的かつ早期に多量のCO2を削減可能なソリューションの提供となる。