国内サステナビリティ情報の保証制度、責任の所在に関する議論が本格化

11月28日、金融庁は第10回「サステナビリティ情報の開示と保証のあり方に関するWG」を開催した。今回の会合では、前回会合で示された意見を踏まえ、保証業務実施者に対する行政・刑事・民事責任の枠組みが主要論点となった。委員からは、プライム市場の特性や投資家要請を踏まえ、SSBJ基準の適用ロードマップを維持すべきとの意見が確認された。また、スコープ3を含む広範な開示負担、保証業務実施者の準備期間、提出期限延長の妥当性など、実務上の課題も共有された。

責任制度では、まず行政責任として、虚偽の「保証」や不当業務に対し、業務改善命令、業務停止、登録取消、課徴金を含む処分の必要性が示された。課徴金については、公認会計士法を参考に、注意義務違反は報酬相当額、故意は1.5倍とする案が提示された。刑事責任では、虚偽保証そのものに刑事罰を科さない方針が適切とされ、ただし守秘義務違反には罰則を設けるべきとの整理が示された。

民事責任では、金融商品取引法の虚偽記載規定に倣い、立証責任を被告側に転換する過失責任の導入が検討された。また、企業側のセーフハーバー・ルールが適用される場合、保証実施者も責任を負わない仕組みとする案が議論された。一方、企業の推論過程等の開示が真実でない場合には免責されないことが明確化された。

会合の終盤では、今後検討すべき論点として、課徴金制度の導入、罰則設計、セーフハーバー適用範囲などが整理され、制度設計に向けた議論が続けられることが確認された。

(原文)事務局説明資料

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